【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第72章 三つ巴
Side.Marco
不死鳥になってコロシアムに侵入し、ドフラミンゴんとこのがいなくなった時に元の姿に戻る。司会進行によりアンが生きていたことが全国に広まっていく。
「アンはどこでも人気だよい」
俺の気持ちも知らねェでよい。全く、俺も嫉妬深くなったもんだねい…。
『…ねぇ、聞きたいことがあるんだけど。』
「なんだい?」
『青キジがこの2年で会いに来た?』
青キジの海軍を辞めてからの消息なんて知らない。
「いや、見てないねい」
『私の最後の言葉は聞いてないのね。』
「何か言い残したのかよい?」
そう聞くと、次第に顔が赤くなっていくアン。一体何を言い残したんだい。そして、それを誰に伝えて欲しいと願ったんだ。
『い、いや、何も…』
「気になるねい…あ、そういえば…」
頑なに答えようとしないアンを見つめていると、その目の色の違いを改めて認識した。
『なに?』
「本当に目の色が違うんだねい。」
『え、あぁ、まぁね。』
「今までは暗かったからちゃんと見れなくてない」
『みんなを船へ逃した後、ティーチたちに総攻撃されてその時に失明したみたい。私を拾ってくれた人が義眼を入れてくれたんだよ…冷たッ』
「すまねェよい」
自然と手が右の頬をなぞっていた。死角になっているのでびくりと揺れるアンにたがが外れそうになったのは言うまでもない。
「痛かっただろい?」
『…分かんない。だって、必死だったから。でも…みんなが生きててよかったって思ってる。』
2年間で忘れるわけがない、アンの生き方も、この熱い思いも…
「アンには頭が上がらねェない」
『ふふ…これからはまたみんなに会えるね!』
「そうだない。」
嬉しそうに笑うアンにつられて笑うとまた顔が赤くなっていた。そんな顔してると食いたくなっちまうよい。話を逸らすようにコロシアムを見出したアン。
『エースとサボとルフィはいつ出るのかな』
「さぁな。」
こいつは誰にもまだ話してないが…俺の気持ちは2年前から一切変わらないよい。髪を1束すくってキスを落とすと、アンはまた顔を赤くしていた。
『もう!真面目に見てよ!!』
「見てるよい、お前を」
『ッ!///』
「くくく、相変わらずだねい…アンはよい」
『マルコッ!』