【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第72章 三つ巴
VIP席はコロシアム全部を見渡せる位置にあり、きっと王族と言われるドフラミンゴが見る席なんだろう。
[さーてさて!!リングの調子も整ったがー、その前に!!王族ドンキホーテファミリーのお姫様が見に来てくださってるぞー!!彼女はかの火拳の実の妹であり!!尚且つ海賊王の娘!!そして、白ひげ海賊団1番隊副隊長のポートガス・D・アンッ!!!]
みんなの視線がこちらに集まる。もう家族にバレた時点で生きてることを隠す気はないようだった。
「彼女は死んだはずじゃッ!!」
「記事をッ!!スペース確保しろ!!」
取材陣たちもどうやら、バタバタと慌ただしくなっていた。
[盛り上がってきたぞー!!さー、メラメラの実を手に入れるのは誰だァ!!まずはAブロックから予選をスタートするぜー!]
「アンはどこでも人気だよい」
『…ねぇ、聞きたいことがあるんだけど。』
「なんだい?」
『青キジがこの2年で会いに来た?』
「いや、見てないねい」
『私の最後の言葉は聞いてないのね。』
「何か言い残したのかよい?」
ー何か言うことは?
ー…マルコにッ会ったら…愛してましたッと言って、くださいッ
思い出しただけで顔が赤くなる。
『い、いや、何も…』
「気になるねい…あ、そういえば」
そう言ってこちらをじっと見てくるマルコに心が見透かされそうでドキリとした。
『なに?』
「本当に目の色が違うんだねい。」
『え、あぁ、まぁね。』
「今までは暗かったからちゃんと見れなくてない」
『みんなを船へ逃した後、ティーチたちに総攻撃されてその時に失明したみたい。私を拾ってくれた人が義眼を入れてくれたんだよ…冷たッ』
「すまねェよい」
右側の死角から伸びた手に反応が遅れた。マルコは手を頬に当てていた。
「痛かっただろい?」
『…分かんない。だって、必死だったから。でも…みんなが生きててよかったって思ってる。』
にっこり笑うとマルコは少し困った顔をしていた。
「アンには頭が上がらねェない」
『ふふ…これからはまたみんなに会えるね!』
「そうだない。」
Aブロックの予選がすでに始まっており、2人の世界に入りすぎたな…なんて少し反省した。どうやら、ブロックごとに争い最後に残ったものが最終戦へ進めるようだ。
『エースとサボとルフィはいつ出るのかな。』
「さぁな。」