【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第70章 たった2年、されども2年
Side.Ace
急なサボからの連絡は俺に対する祝いの言葉だと思ってた。だが、知らされたのは冗談だと思えるその一言。
[アンは生きている]
何言ってやがる…。あの時、俺は言ったよな…
「何…言ってんだよ…冗談なら笑えねェぞ…」
ほんとやめてくれよ。せっかくみんな気持ちが落ち着いて来てるのによ。
俺は受話器を持つ手に力が入った。
[ほんとなんだッ!俺は目の前でアンと話したんだッ!!あいつは記憶をなくしてて、ドフラミンゴのファミリーにされてるッ!!]
サボは焦った声で必死に伝えてきていた。本当なのか…。
アンが生きている…なんて…
手の力が緩んでガタンと落としたが気にしない。“生きている”そう思うことで、ずっと曖昧だった胸のあたりのもやもやがずっと晴れていく気がした。
「本当なのか…」
絞り出すような声だったと思う。発した自分が驚くくらいだ。
[俺がこんな冗談言うわけないだろ…]
そうだよな…お前はそんな悪ふざけはしない。俺たちがよく知ってるさ。
「…そうか、わかった。ありがとな」
そう言って、電話切ってすぐに親父のところへ走り出した。
「親父ッ!!!」
Side.Marco
「っと…大まかな報告はこれで終わりだよい」
俺はいつもの定期報告を親父にしていた時、バンッと大きな音を立てて扉が開いた。
「親父ッ!!!」
「グララララ、相変わらずうるせェな。」
「なんだよい、慌てて…」
「俺、ドレス老婆に行きてェ!!!」
「「あ?」」
一瞬、目が点になった。
「ドレス老婆って誰だよい。」
「違ェって、ほら、あの…なんだっけドタレメンゴみたいな名前の…」
「あァ…ドレスローザか?」
「そうそう、さすが親父だなッ!!」
エースの頭の悪さがはっきり出てるよい。
「ドフラミンゴだよい。んで、なんで行きてェんだ?」
「アンが…生きてるかもしれない」
思わず眉間にシワを寄せた。
「エース…おふざけなら他所でやれよい。」
「違うッ!!ふざけてこんなことなんか言わねェよ!!」
しっかり話を聞くと、どうやら情報の出所は革命軍の小僧だった。
「グララララ…そらァ気になるなァ。鳥の小僧ならやりかねない」
「親父、行かせてくれッ!!」
「行ってこい、エース…」
「俺も行くよい」
「あァ…頼んだぞ」