【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第69章 ぼんやりと
Side.Ace
「よっしゃぁぁあ!!!」
「やったな!!隊長!!」
仲間が守ってくれているのは、俺の新しい手配書。懸賞金も上がっており、海賊の俺としては大満足だ!!
「白ひげ海賊団2番隊隊長 ポートガス・D・エース、懸賞金7億7000万ベリー!!さすがっすよ!!」
「だろ!もっと褒めろ!!」
これでようやくお前を超えたぜ、アンッ!!
声には出さなかったが、空に向けてガッツポーズをした。
「何騒いだんだよい。」
「エース、また食糧庫から物盗んだの?」
「ちげェって!!ほらみろよ!!」
そう言って、マルコたちの前にバンッと手配書を出してやった。
「こりゃ…」
「懸賞金上がったのー?すごいじゃん」
「どれどれ…」
あとからやってきた隊長たちは手配書を取り合うかのように見合っていた。俺は鼻高くして威張って見せた。
「ほぉ、アンの額を超えたのか…やっと」
「アンちゃん、すごかったもんね〜」
「エースもようやく兄貴っぽくなってきてじゃねェか。」
「ようやくってなんだよ!!」
船内に笑いが起きる。
なぁ、見てるか、アン…俺、やっとお前の懸賞金額より高くなったぞ!!ルフィも新世界にやってくるみたいでよ。
「ニシシ!!」
「何1人で笑ってんだよい。」
「気持ち悪いよ、エース…」
「うるせェ!!あ、親父にも見せに行こっと!!」
手配書を持っていたマルコから奪って、俺は親父の部屋に走って行った。
「見てくれよ、親父ッ!!」
Side.Sabo
[ちょっと聞いてるの?]
「すまねェ…今なんて言った?」
それはコアラからの報告を受けていたときだった。あまりの衝撃の言葉に意識を飛ばしていたようだ。
[信じられないと思うけど…アンちゃんらしき人を見たの]
「そんなわけねェだろ?あいつは半年以上前に死んだって…エースが直接連絡してきたんだぞ!?」
[分かってる…だから、らしき人なの。私だって信じられない。それに…]
コアラは言い淀んでいた。
「それになんだよ…」
[そのアンちゃんらしき人…ドフラミンゴと一緒に暮らしてるみたいで…]
また頭に衝撃が走った。生きてて、さらにドフラミンゴといて…何言ってんだよ…!
「俺もそっちに向かう。」
[え、ちょっ]
言葉を遮るように電伝虫を切った。