【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第69章 ぼんやりと
今日はベビーも外周しているそうで、1人部屋でのんびりしていた。ドフィや最高幹部もバタバタとしており、城内部も慌ただしかった。
『…なんでこんなにバタバタしてるなら』
ご飯を届けにきてくれた女中に聞くと、どうやら先日のパーティに参加していた人の娘が来城しているとのことでその接待に慌ただしいようだ。その上に幹部もドフィも遠征に行っているようで好き勝手に居座っているようだ。
「…若様にも連絡はしているのですが…とりあえず待てなせとおっしゃられるばかりで。」
『シュガーたちは?』
「シュガー様は部屋から出てこられません。他の方々も任務等でお席外しておられるので本当に困ってるんです。」
女中も話すとすぐにまた部屋を出ていった。
『…まぁ、私も居候みたいなものなんだけど。』
1人で食べるご飯は味気なく、寂しくなった。
『大勢で食べる方が美味しい……え、あれ。ファミリーで食べてもそんなに多くないんだけど…』
食器を下げにきた女中はすぐに部屋をさっていった。
『…ちょっと散歩でも行くかな〜』
城内をゆっくり散歩していると、ホールの方が騒々しくなっていて、中を覗きにきている者たちが何人も扉の前に居座っていた。
「だーかーら!私はドフィに会いたいのよ!!」
「お酒もっと持ってきなさいよ!!」
「私たちに逆らうと後でドフィに殺されるんだからね!!」
『3人…』
「アン様ッ!!」
『めんどくさそうな人たちね〜』
「お願いします、なんとかしてください。」
「このままでは、仕事もままならなくて…」
懇願するようにすがりついてくる使用人たちは涙を流していた。
「いいから、早く連れてきなさいよー!」
「私があの人を満足させて見せるわ!!」
『はぁ…開けて…』
ガチャンと重たい扉が開く、中はとても汚くなっていて使用人たちも青ざめていた。
「なによ、あんた」
「ドフィを取ろうっての?」
「さがんなさいよ、ブス」
『失礼、あまりにもホールが騒がしくて豚小屋にでもなったのかと。』
「「「な、何ですってェ!!」」」
『ドフィは外出中ですよ。お引き取りくださいな。』
「あんたに何の権限があって!!」
『言っときますけど…お願いではありません。これは命令です。私はここの留守を任されている。これ以上静かな城を荒らす豚なんていらないんですよ?』
にっこり笑って言った。