【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第68章 回復
「フッフッフッ…本当にいい女だなァ。アンちゃん。その覇気に満ちた目、片目なのにその圧。俺ァ、また惚れちまうぜ?」
ドフィは笑いながら、幹部たちの真ん中にあるどでかい椅子にドカッと座った。
『…厄介なことにならないといいけど。』
「そんときゃ、斬っちまえよ。」
離れようとすればまた引かれて今はドフィの膝の上。
「フフフフフ、これでしばらくは縁談もこねェなァ」
『残念なのか、喜ぶのかはっきりしてよ。』
「どっちだと思う?」
ニヤニヤとサングラスをかけていてもわかる笑み。なにがそんなに嬉しいのだろうか。
『部屋に戻る…』
「フッフッフッ…その冷たい目、あん時みたいだなァ…」
『え?』
「なんでもねェ。ベビー送ってやれ」
「はい、若様ッ!」
『いいえ、大丈夫よ。じゃあ、おやすみドフィ』
頬にキスを落とすと、ホールを出た。
『あー、疲れる…』
部屋に戻ってすぐに足を痛める靴を脱ぎ捨てた。ドレスも脱いだ。すぐにお風呂へ向かった。着飾った化粧を全て洗い流した。
『パーティって疲れる…ずっとニコニコしてないとダメだし…。前の私…って…』
やっぱり、ドフィは私の忘れているところを知っている。
『なんで教えてくれないのよ。記憶がないなんて…』
あれ、前にこんな事が…誰かに…
ー俺、記憶がないんだ…
ーあなたは怒るかもしれないね…
ー思い出して…
『ッまた…なんなの…』
ドッと押し寄せる情報に頭が割れそうだ。頭痛から逃げるように私は意識を手放した。
Side.Doflamingo
俺はパーティを終えて、1人だけの自室で酒を飲んでいた。目の前にある小さな箱を見つめながら…。
「ようやく…ようやく手にしたぞ…フフフフフ…これこそ最強種自然系の悪魔の実。メラメラの実ッ!!どう言うわけだか、あの火拳の小僧から離れたこの実を探すのは骨が折れたぜ?
フフフフ…集まってくるぜェ、この実は人を呼ぶからなァ…」
アンちゃんはどんな顔をする?記憶がない今、この実の存在を知れば、すっ飛んでる部分が戻るかもな…だが、それじゃあ面白くねェ…!
「この実をどうするか…考えねェとなァ」
窓から見える景色にはドレスローザの夜景。そして、その先にある海を見る。
「この実を奪いにくるのは誰だァ?」
笑いが止まらねェ…そうだな…コロシアムに使うか