【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第8章 赤と白の宴
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「おい、アン!!今日は大量だ!ワニ飯だ!!」
「ニシシッ!! 宴だ!!」
『凄いたくさん!! すごいね、エース!サボ!でも、なんで宴?』
「そりゃ…なァ!」「そうだ!!」
「「俺たちは海賊だからな!!」」
2人はニシシと笑って、わたしに同意を求めた。
『……そっか!』
宴はダダンたちとともに始まった。なぜかみんなが知っている曲といえば、あの曲。海の歌を大声で歌う。
「「「ヨホホホホ〜、ヨ〜ホホ〜ホ〜」」」
『どうしてダダンたちは山賊なのに知ってるの?』
「自由な歌を同じ自由を求める者が歌っちゃいかねェのかい?
あたしらは山賊だよ。海で自由を求めりゃ海賊!山で自由を求めりゃ山賊さ!! 大きな違いなんてないんだよ!」
笑い声が絶えない、歌声が絶えない。
それは遠い日の思い出…そう…確かに海賊も山賊も賑やかなところはおんなじだ。
「…い! おい!!アン!!!」
『え? なに、ベックマン』
「なってるぞ…電伝虫…」
少し昔に意識を飛ばしていたようだ。胸元から聞こえるあの独特の呼び出し音。
『ガチャ…[あ、もしもし?聞こえてるー?]げっ…この顔…』
そこには少しダルそうな顔…アイマスクまで再現されている。
周りから少し離れた。少し遠のいた賑やかな声に冷静さが戻ってきた。
『お疲れ様です、青キジさん。どうかしましたか?』
[あのね〜、どうかしましたかじゃないでしょーよ。いつまで俺1人に仕事させる気? 俺、サボれないじゃんかよ]
『それは、きっとサボらせないために元帥がしてるのかと思いますが…』
[それより…アンちゃん。攫われたんだって?赤髪に]
『大佐たちは無事に帰還しましたか?』
[もちろん、君のおかげでね。センゴクさんカンカンよ?]
『えぇ、もちろんわかってます。すぐに戻ります』
[そ…それならいいけど?俺が迎えに行ってあげようか?]
『結構です。それにつけて仕事をさぼりたいだけでしょう?』
[あらら、バレてたのね…じゃ、待ってるから。言っとくけど、猶予ないからね…]
『はい。』
ガチャと電伝虫を片付けて、わたしはすぐに宴の席へ戻る。
現実逃避をしてる場合じゃない。
『白ひげさん、赤髪さん。私はそろそろ帰らせていただきますね。』
「そうか…」
「まだいろよ! なんなら俺の仲間になれ!」