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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第67章 ファミリー


『ここで寝るの?』
「あァ…」

ドフィは先にドカッとベッドに寝転んだ。あんなに大きな体が乗ってもまだ余裕のある大きさのベッドにびっくりだ。

『疲れてるの?私はこっちで寝るね。』
「なに言ってやがる、こっちに来いよ。アンちゃん」

こんな風に何度か部屋で寝ることはあった。毎回、恥ずかしいというか申し訳ないという気持ちになって…ソファーで寝ることを提案するもすぐに却下されてしまう。

「フフフフ、安心しろ。何もしねェ」
『毎夜毎夜お盛んだから心配してないよ』
「なんだァ、盗み聞きか?」
『聞こえるの!!聞きたくなくても!』
「そりゃ、すまねェな。1人寂しい思いをしてただら?」
『してないよ!もう寝るよ!』
「怒んなって…アンちゃん」
『…ねェ…私の過去、ドフィは知らないの?』
「…知らねェな。」
『そう…おやすみ』
「あァ…」

あったかい…ドフィは半裸の状態でいつも眠る。抱きしめられると体温が伝わってくる。襲いくる眠気に逆らうことなく目を閉じた。






Side.Doflamingo

俺はアンちゃんに会うのを極力避けていた。何故かって?会うたび会うたびに“過去”について聞いてくるからだ。

「何も知らないままでいてくれりゃいいのになァ」

横で眠るアンちゃんの短くなっている髪をすいた。きっとあの黒ひげとの私前戦争の時に切っちまったんだろう。身体はボロボロ、戦っていたはずの島は無くなっていたとセンゴクの野郎が言っていた。

最近、妙に考え込む仕草が目立つとベビーが言っていた。ふと1人でいる時に海をずっと眺め続けていたり、自分の体の傷を気にして触っていたりと報告が上がっていた。

「こりゃ、近いうちに思い出しちまうかもな。」

それはそれできっと面白い。

チュッと眠るアンちゃんの額にキスを落とすと、ムラムラと自身に燃え上がる欲。白い肌に、戦争を生き抜いた身体に、赤い唇に、その声で啼かせてみたいと何度思っただろうか。

俺が興味あるのは強気で復讐が宿った目をしてたあのアンちゃんだ。早く自力で思い出してみろ。

『ん…』
「寝るか…」

寝苦しいのか、身動ぎをしたアンちゃんをギュッと抱きしめながら眠りについた。

“こんな日があっても悪くねェ”なんて思ってる俺も生温くなったもんだなァ。
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