【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第66章 失ったモノ
Side.Baby5
「ドフラミンゴッ!!よくも私の大切な人をッ!!」
つい先日、お金を貸して欲しいと私を必要にしてくれた男が結婚を申し込んでくれた。
“私、必要にされてる!!”そう思って舞い上がっていたのも束の間…明日には嫁ぐんだと準備をしていると部下から入る連絡。
ー若様が処分を下されました。
「ベビー…俺は帰ったばかりで疲れている。」
どこかにいきなり出かけていたドフラミンゴに自身の能力を使いこうげきを仕掛けるも簡単に止められてしまう。
「ッこの!!」
「やめとけ、ベビー…俺は今気分がいいんだ。」
フフフと口角上げて笑う男に抱き抱えられているものにようやく目が行った。
「それ…」
「あァ…ようやくか…こいつは新しくファミリーになる。世話をお前に頼みたい。」
「わ、私…必要とされてる!!」
「あァ…お前が必要だ。後でまた呼ぶから、服とか準備してやってくれ」
「う、うん!!すぐにするわ!!」
私は自分の持つ服でもとりあえずと思い、部屋に取りに行った。
Side.Doflamingo
帰ってきた瞬間に仕掛けられた攻撃に俺はアンちゃんに当たらない様に避け、時には相殺した。いつものようにファミリーを誑かしたやつを始末したが、それがベビーが結婚相手だったのもいつものことだ。
ベビーが怒るのも無理はないが、俺は今日は特に機嫌がいい。“お前が必要だ”なんて言ってやれば、怒りをそっちのけでベビーは準備していた。
俺の部屋と繋がる隣の部屋にアンちゃんを寝転ばしたと横に座るとギシリとベッドが軋んだ。
「いつ起きるんだ?アンちゃんよォ」
話しかける言葉にも何も帰ってこず聞こえるのはスースーという寝息だけ。
「フッフッフッ…まァいい、情報が取れないように俺が操作しといてやる」
おでこにそっとキスをすると、そのままパタンと扉を閉めた。後から駆け込んでくるベビーに幹部を全員集めろというと、また一目散に走っていった。
「どうした、ドフィ…何か面白いことでもあったか?」
「フッフッフッ、俺ァ…珍しいもんを手に入れた。その情報をお前たちにも伝えておく。いいか?外に漏らすんじゃねェ。」
集まった幹部にアンちゃんの現在の状態、過去を全て話すと“分かった”と口々に声が上がる。
「大事だからなァ…頼むぜ、お前たち」