【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第63章 落し前戦争の開戦
Side.Jozu
「さすがにでかいな…」
船では自身も大きいほうだと思っていたが、そうではなかったと改めて認識させられる。
「足とかチクチクしてうぜェつった」
「なんとか倒さないとな…」
そんなことをアトモスたちと考えていた時だった。上から大きな影になる。
「ッしまった!」
そう思った時には、俺は硬化も追いつかず、地面に押しつぶされていた。
『ジョズーーーッ!!』
大事な俺たちの妹の声がした。まだ、倒れてないぞ…俺たちはみんなでモビーに帰るんだもんな…大丈夫だ。
俺は痛む体に鞭を打ち、立ち上がった。
私がついた時、ジョズに下される大きな拳。それは巨人族よりもさらに大きいサンファン・ウルフのものだった。
「潰しつった」
『ッジョズーーーーッ!!!』
声が届いたのかこちらを見ていた。そして、血が流れている体を起こして立ち上がった。
「ここは…なんとか…するからな。」
そう言っていつもの笑顔を向けてくれた。アトモスもキングデューもボロボロで…でも、あいつはまだまだ戦えるようで容赦のない攻撃を家族に送っていた。
『ッやめろォォッ!!!』
瞬間的に出す覇気に何度も繰り広げられていた攻撃は一時止まった。
「お前…そうか…この鬱陶しいやつらの仲間つった?」
持ち上げられた拳の下には倒れた彼らがいた。
『ジョズ!!アトモス、キングデュー!!』
近くによって息を確認した…まだ生きてる。
『もう少しだけ…頑張って。』
「なんだァ?次はお前か?」
サンファン・ウルフはその目でしっかり私を見た。
『やっぱり、無理しなきゃね…』
「や、やめろ…アン」
手を伸ばしてくれたのはキングビュー…だった。
『大丈夫…すぐに片付けるから。水膜』
3人をそれぞれ水の膜で覆った。攻撃が一つも当たらないように、もうこれ以上辛い外気に晒されないように。
「小せェお前に何ができるつった?」
『お前を倒すとか??モード…水神』
唸るような大渦に包まれた。そして、水の鎧を纏った。
「なんだ?急に格好が…」
『喋る暇なんて与えない…』
海の水を固めて作った剣で、サンファン・ウルフの皮膚を切り裂いた。
『私…家族にこの姿見せるの嫌だったのにな』
血塗れになったその姿はまるで、島であったことを思い出せるようだった。
『だから…』