【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第63章 落し前戦争の開戦
「ゼハハハハッ!!!やはり、その力が欲しいぜ、俺ァ」
「グララララッ、よそ見してていいのかァ?」
親父様の打撃は宙にヒビをつくる。慌てたティーチはその力を収めて受け身をとった。
「グァッッ!!!」
「お前は他の奴らんところ行っとけェ…邪魔だ」
『…うん。』
親父様に言われて、私は見聞色で他の隊長の状況を確認した。
『…みんな苦戦してる…ってか島ごと潰してもいいよね。無人島って言ってたし…水面刀:ウォータースライサー』
両手から水を集めて、それを両側へ投げる。すると、生えていた木々を斬りながら島中を回っていく。木を全て切り終わるまで投げ続けた。
「グララララ…随分視界が広がったじゃねェか。」
周りを見ると、隊長たちがそれぞれの敵と戦っている姿が確認できる状態になっていた。
『…ふー、これでいい。』
「アンちゃん!!!」
少し息をついた時だった。後ろから聞こえた声に振り向いた瞬間に感じる痛み…。
『ラ…フィット…ッ』
「ホホホホ…あなたのその力は私たちの敵になるので先に死んでもらえますか?」
『ッグ…これで死んだら…名折れしちゃうでしょ。水流弾!!』
水の弾丸を撃ったがいとも簡単に避けられた。
『ッ…』
「それで、生きながらえたつもりですか?ホホホ、笑えますね」
「お前の敵はこっちだろうッ!!!」
サッチが攻撃を仕掛けてくれたおかげでラフィットは私から距離が空いた。
『ッハァ…ハァ…ごめん、邪魔した。』
「いいから、止血しとけッ」
そう言って前に立ってくれるサッチに“男前だな”なんて考えてる場合じゃないか。
『大丈夫だから…ッ。』
ジョズたちのところと、ラクヨウたちのところがやはり苦戦しているようでなかなか倒れてくれない。
Side.Thatch
急に視界が晴れたと思った、一瞬の油断が招いた。アンちゃんはこのラフィットに背中に一撃を喰らってしまった。
『行かないと…ッ』
なんでそんなに…自分の命を大事にしろよッ。
「動くなってッ!!自分は治せねェんだ!!死んじまうぞ!!」
『こんなところで、ッ守られてるだけなら死ぬほうがいいッ!!』
「ッ!!」
アンちゃんの目は本気だった。負けたくない…そうなんども訴えてきた。
「分かった…だが無理するなよ」
俺はフラフラなりながら歩いて行く妹を見送った。