【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第63章 落し前戦争の開戦
木々を超えた先で戦っていたのは、アバロ・ピサロだった。
「ん、お前シリュウの野郎と戦ってたんじゃにゃーのか?」
『ハァ…倒してるからここにいるのよ。』
血は確かに流れている。でも、操れば堰き止めることも可能だとこの半年間で学んだ。
「お、おい。アン無理すんじゃねェ!!」
「ここは俺たちがやるから!」
『知ってるよ。別に邪魔しにきたんじゃない。私は行かないとダメなところがあるからその通過地点なの。ラクヨウとブラメンコならって信じてるから。』
「こいつらよりは骨がありそうだにゃー」
アバロ・ピサロは腕についているガトリングガンのようなものをこちらに向かって放ってきた。ダダダダッと大きな音が響いている。
「「アンッ!!!」」
土埃が立つ、戦場。
『海楼石じゃないなら…私は死なない。』
体を水に変えれば全ては貫通し、攻撃なんて食らわない。
『剃…これはお礼…ッ!!!』
剃で動いた時にダガーに水を纏わせて、そのままアバロ・ピサロを斬りつけた。
「ッなッ!!!」
『悪人でも人間なんだね。』
舞い散る赤の血飛沫は再び、私に降りかかる。
『私は急いでるって言ってんのッ!!』
ラクヨウたちが後は何とかしてくれるだろうとその場を月歩で去った。向かったのは、ティーチと親父様が戦っているところ。
「ゼハハハハッ!!老いたな…白ひげェ。」
そこには島が割れた真ん中に位置しているところで片足をついていた親父様。
『親父様ッ!!!』
「ゼハハ…アンか?シリュウはどうした?」
ティーチは問いかけてきたが、そんなことに答えている暇はない。
「グラララ…来るんじゃねェ…アン。これは俺の戦いだ。お前は、俺たちを信じてると言った…信じてくれるならそこで黙って見とけェ!!!」
親父様は薙刀を再び持ち、立ち上がった。
「ゼハハハハ、もうやめとけよ。俺とあんたじゃどちらが優勢か分かってんだろォォ?闇水:クロウズ!!!」
ティーチは闇を自身の足元から広げて、島を覆おうとした。
『水神の宮…』
みんなに戦う前につけておいた小さな水の塊。私の自由に動くように訓練をした。黒ひげに飲み込まれる島でもみんなの足場は確立されるだろう。
「アンの力かァ?お前は俺の戦い方を見てねェはずなんだがな?」
『見てなくても共有はできる!』