【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第8章 赤と白の宴
白い鯨と赤い竜…隣同士に並んでいるが、白ひげの船の方がはるかに大きく、高低差がすごく出ているようだ。
「やっと着いたのかよい!!上がってこいよ、赤髪!」
「一番隊のマルコか!! 俺の船にこいよ!」
「いかねェよい!!」
船に橋をかけ、大きな酒瓶を抱えた船長さんが登っていく。
船室に近い位置でその様子をみていた。
「おまえは行かないのか?」
『何故、行かなければならないのでしょう』
「白ひげの船に上がった瞬間に、あいつが白ひげを斬りつけたらそこから戦争スタートだ。言葉を変えようか…見張ってなくていいのか?海軍のアン少将。」
『うッ…忘れてた…ッベックは来てくれないの?』
「お、甘える攻撃か? ふッ…ま、年相応でいいんじゃねェか?」
「いいねいいね! いい技だぜ!」
「ついていってやれよ! ベン!」
「こんなに可愛く言われちゃなァ…しゃーないか。」
吸い殻を灰皿に擦り付けると、すぐに梯子の方に向かっていった。
「抱っこしてやろうか? お嬢ちゃん。」
『…結構です。あくまで仕事なのできちんとします。』
バサっと白いマントが風になびく。そこに大きく書かれた正義の2文字か。この文字がある限り、私は海賊から逃げてはいけない。
白ひげの船に上がるとザワッと湧き上がり、そして敵意…殺気を一身に浴びた。
『すごい…こんなに睨まれるとついうっかり覇気とか使っちゃいそうですね。』
「おまえ…呑気なもんだな。」
『そうですか? ここで慌てたら相手の思う壺ですよ。』
「話し方も変わってるぞ。 少将は固いイメージだな。」
船の塀に座り、真ん中にいるだろう船長同士に目を向けた。
『どうやら、喧嘩にはならないようですね、向こうは。』
「そうだな…こちらのh「おいおい! どういうつもりだ!」
ほらな?」
『あなたに尋ねているんですよ、彼』
「そうなのか?」
「どういうつもりだ、ベン・ベックマン!! 海軍を連れてきて!
俺たちを捕まえさせようってのか!!!」
そこで怒りの言葉をぶつけてきたのは、見たこともないような男。
『…新人さんですか?』
「うるせェ!!!海軍に言う事なんて1つもねェよ!!」
その言葉は私には質問には答えてくれない。
隊長格ではないな…手配書にない顔だし。私のこと知らないのも最近上がってきた若手なんだろう。
『ふふっ…まだまだなんですね。』