【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第62章 見つけた敵
「俺たちは…どうしても行っちゃダメなのか!?」
「俺たちも家族だったんだ!!」
隊員たちが声を上げた。それはそうだろう。みんなが家族だったんだ。自分たちにも戦う権利があると思ってもいいはずだ。
「グララララ…俺ァ、戦争で息子たちに先立たれるのはごめんだァ。覇気も使えねェ奴らは船でいろォ」
「そんな!!」
「親父!!」
『ちゃんと帰ってくる!!そう言ったでしょう?』
「アン副隊長…」
「アンさん」
『みんなが来たらすごく助かる。でもその分犠牲になるかも知れない人も増える。ティーチは悪魔の実を食べて、本当に強くなってしまった。無理をして、これ以上死んでいく家族を見たくない!!』
ポロポロと涙が溢れる。みんなの行きたい気持ちは伝わってる。親父様や隊長たちも心配なんだよね。分かってる。
『ちゃんと、帰ってくる!!だからあなたたちはモビーディックを守ってほしい!!』
「アンちゃん」
「アン…」
「馬鹿な奴だねい」
「グララララッ!!出航準備をしろォォ!!隣の無人島でティーチを討つ!!!」
「「「「おぉぉぉぉ!!!」」」」
雄叫びと同時に動き出した彼らは雨に濡れることも厭わずに、食料を、物資を買いに走った。
『エース…力を貸して欲しい』
「ん?なんだ?」
『同じタイミングで火柱打って欲しいの…空に』
「いいけど、なにすんだ?」
『雨雲…邪魔でしょう?』
「ニシシ、そうだな!」
エースと2人で船から離れた海に立つ。
『いくよ…』
「おう!」
「『火柱ッ/水柱ッ!!!!!』」
ドォンと大きな音が鳴り、二つが合わさる。そして、天の雨雲を裂き突き抜けた。
「おぉー、さすがッ!!」
「やってくれるねい」
「本当いいコンビ!」
雨雲は分散して、沈みかけの太陽が顔を出した。
「アン…無理すんなよ」
『エースも…死なないでよ?』
2人で手を繋いで船に戻ると、マルコに喝を入れられた。
「大きなことをするとティーチが逃げるだろうが!!」
『大丈夫だよー』
「マルコは心配症だなッ!!」
ゴンゴンと拳骨が落ちてきた。
「お前らが考えなさすぎなんだよい!さっさと仕事しろい!!」
「『はーい!!』」
この数時間後、私たちは島で買ったエターナルポースをあてに無人島へ出航した。
『…デュース、頼みがあるの。』