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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第62章 見つけた敵


「あと、雨の日に濡れた格好で男についていくのはいただけないな…」
『…なんだ。ついて来てたの?』
「俺も暇だったからね。」
『ふーん。幻滅する?こんな妹は…』
「いや。俺もよくするからな。」
『え?』

サッチを見ると困った笑みを浮かべていた。

「俺たちって狙われやすいだろ?それに喧嘩っ早いやつばかりだしよ。仲裁で入っても相手は大方悪口言ってんだよな。マルコたちは聞こえないくらいの声で。」

サッチの黒い部分が見えた気がした。

「俺、家族を馬鹿にされんのも狙われんのも好きじゃねェから。アンちゃんと同じ、裏路地で全員殺ってきたよ。」
『そう。』
「マルコもエースもイゾウも…誰も知らない。俺とアンちゃんだけの秘密な?」

ウインクをつけて話す頃にはいつものサッチに戻っていた。

『そんな顔もあるんだね〜、意外だった。』
「え〜、俺結構こんな感じよ?」
『そう? いつも馬鹿みたいに笑ってるところしか知らなかったから。』
「新しい顔を知れても俺に惚れちゃダメよ?」
『それはない。』
「じゃあ、やっぱりマルコ?」
『…その話はもういいでしょ?』
「照れてんのー?可愛いな〜!」
『うっさい!沈めるぞ!!』
「怖ッ!!」

ふざけた会話をしている頃には船についていた。

「なんだ、一緒だったのかい?お前さんたち」
『うん、そこで拾ってもらった。』
「こんな雨だしな。拾ってあげたの、可愛いアンちゃんを」
「そうかい。能力者で雨の日にうろつくのはお前さんくらいだよ」
『そう? ホント不便だよね〜、能力者って。あ、親父様は?』
「部屋で酒でも飲んでんじゃねェか?」
『そう。話したいことあるから行ってくるー』
「おう。」

甲板を駆け出して船内に入ると、すぐ親父様の部屋に向かった。

『親父様ッ!!!』
「グララララ…どうしたァ、そんな血相変えて」
『あいつが…ティーチの場所…わかったの。』

そう声を上げた時、ピシリと親父様の殺気が出た。窓にヒビが入っており、重い威圧が部屋を覆っていた。

「集めろォ。」
『うん。』

船内に放送を入れた。

[緊急隊長会議を始めます。親父様の部屋に集まってください。]

ざわりと船の空気がざわつくのはすぐにわかった。

「よくやった…アン」
『うん…』

その数分後ゾロゾロと部屋には隊長たちが集まってきた。
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