【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第61章 隠したい気持ち
サッチに連れてこられた浜辺は綺麗とは言えないが、海が近くにあって私たち海賊にはお似合いの場所なのかもしれない。
『何を話したいの?』
「…マルコのこと…好きか?」
『ッな!!///』
「そっかそっか!!」
何か理解したのかまたカラカラと笑っていた。
「なんで…聞いてやらないんだ?」
『…何が。』
「…俺はよ。アンちゃんが気づいてないとは思えないわけ。あんなにマルコを目で追ってて、自分が好きってのも自覚してる。のにさ、あんなに熱烈にアピールしてるマルコの気持ちに気づかないわけないと思ってるわけよ。どう?」
言葉にならなかった。いや、さすがに気づかないわけないじゃない。あんなに甘い顔をしてて…私に気持ちを伝えようとしてるのも知ってる。
『なんの話かな…』
「しらばっくれちゃう?別に怒ってるとかじゃなくて…なんでなのかなーなんて思ってるだけだよ。」
もうお見通しなのかな…。
『…はぁ、さすがサッチだね。ナースのお姉様方にも気付かれなかったのにな〜』
「でしょ?」
『…知ってるよ、マルコが思ってくれてるのも、みんなが本気で思ってくれるのも、応援してくれてるのも。』
「じゃあ、なんでッ!」
サッチはすごく悲しそうな顔をした。
『…内緒。』
「俺は…本気でアンちゃんとマルコに幸せになってもらいたいッ…教えてくれよッ、理由を!!」
『……』
サッチは口が硬い。誰にも言うことはないだろう。きっと…。でも本当に言っていいものか、悩む。
「マルコは…本気でアンちゃんを…ッ」
『どうして、サッチが泣くのよ…』
サッチの目尻から流れている涙を見ると、こちらも心が痛い。
「…何がッ、アンちゃんの負担なんだよッ!」
『…負担じゃないよ。すごく嬉しい。だって…今までこんな思いをしたことがないくらいずっとドキドキしてる、こんなに心が大好きって叫んでる。初めてだよ』
「じゃあ、なんでなんだッ!!」
『…悲しませたくないからだよ。マルコはきっと大切にしてくれる、そんなの分かってるよ。大人だし、優しいところも知ってる。だからこそ、悲しませたくない』
「何が悲しいんだよ!!思い合えば悲しいわけないだろ!」
海を再度眺める…サッチはまだポロポロとらしくなく涙を流していた。
『誰にも言わないでほしい…』
「何をッ…」
『私ね…ーーーーー』