【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第60章 遅れたが…
マルコがそう声をかけたのは店の店員さんで、すごく綺麗な女の人だった。
「あら、マルコさん。出来てますよ。ちょっと待ってくださいね」
「あぁ…」
そう声をかけると女の人は店の奥に入っていった。マルコたちの会話に胸がチクリと痛んだ気がした。
「おう、マルコさん。言われた通りにしたからね。おや、この子が彼女さんかい?」
しばらく待つと女の人は奥から男性を連れて戻ってきた。
「余計なことは言うなよい。」
「ははッ、恥ずかしがることでもないだろう?」
「うるせェよい!」
赤面するマルコがまさかこんなところで見れるなんて…なんて思っていると“見るない!”と言って顔を隠された。
『ふふッ…マルコ顔真っ赤ー。』
「うるせェよい。」
「ほら、これが品物さ。時間をとってしまって悪かったね」
そう言って見せられてのは小さな箱。
「開けてみろよい」
『うん。』
パカッと開くと、そこには可愛いブレスレット。
「天使をモチーフにしてるものでね、ウチの自慢だったんだ。」
「彼がショーケースに入ってるのに見惚れてたのよ?」
「だから、余計なことをッ!」
手に取ってみると、シャランと小さく音がなる。
「真ん中の石のところに鈴を埋め込んだデザインにしてるんだよ。」
『綺麗…』
「サイズも合っているようだね。」
「じゃ、つけとけよい」
『え、ちょっとこれ!』
「誕生日プレゼントだよい。まぁ、遅くなったがな…」
『…ありがとう!!』
残った箱を袋に入れてもらい、お店の人に礼を言って出る。
「あ、あなた…」
『はい?』
「ふふ、真ん中の宝石はパパラチアサファイアって言う物なのよ。とっても愛されているわね。」
呼び止められたと思ったら、なんで宝石??女の人はそれだけ言うとすぐ店の中に戻っていった。
「どうした?」
『いや、宝石の名前を教えてくれた。』
「なッ!!それ以外は!?」
『いや、聞かなかったけど…何かあった?』
「な、なんでもないよい。ついでにアンのブラブラにも付き合ってやるよい」
『え?いいの?』
「よいよい」
また、手を繋ぎながら歩いていく。が言っておくが私たちは恋仲ではない。
「あれで付き合ってねェとか詐欺だよな」
「俺もそう思う。どっちも気づいてないのかね?」
「お前さんたちは馬鹿だな。気づいてても言わないだけさね」
なんて噂されていた。