【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第60章 遅れたが…
[全くなにしてたんだよい。]
『ナミュールと予算案の話をしてたのよ。』
[そうかい、世話をかけるねい。船の停泊場所はいつも通り少し西寄りのところに場所を取ってるからそこに頼む]
『はい』
言われたことをメモを取る。これを操縦室に渡して進んでもらうのだ。
[結構、大きな街で海軍は見なかったねい。が油断はできないねい]
『ふーん、駐屯地はないのならきっと定期的に見にくるだけなのね。』
[おそらくない。]
『武器屋はあった?結構仕入れの数が多いの』
[あぁ、何軒かあったよい。大きなところもあったから、そこで仕入れれるだろうよい。酒場とまぁ…その、なんだ]
マルコが言い淀んでいるものがすぐにピンときた。
『あぁ、娼婦も頼んだのね。サッチたちが喜ぶわ。』
[察してくれて助かるよい。]
『…私も子供じゃないから、気にしないで。』
[あとは…なんかあったかねい]
『いや、特には…』
[そうかい。]
『ゆっくり休んでね。まだ寝てないんでしょう?』
[ッ…よく気づいたねい]
『声がいつもより眠たそうだから。』
[ふ、そうかよい。]
『あと…』
[なんだい?]
『…女の人、買わないでね…じゃっ!!』
[あ、おい!!]
ガチャンと勢いで切った電伝虫はすごく静かだった。そのすぐ後に血が沸騰するように顔が熱くなった。
『なんであんなこと言ったんだ〜〜ッ。』
Side.Marco
電話の声はいつも聞いていたおちつく声…“あぁ、この声か欲しかったんだ”なんて柄にもなく思ってしまった。
仕入れた情報、場所について話し合った。夜通し飛んでいたこともありやはり眠気がだんだん襲ってくる。
歳かねい…なんて思っていたら、まさか気付かれているなんて思わなかった。声でなんて気付かれたことなんてなかったのによい。
[あと…]
「なんだい?」
少し言い澱むような内容なのか?
[…女の人、買わないでね、じゃっ!!]
「あ、おい!!」
言い逃げしやがった…よい。ガチャンと切られた電伝虫は反応することなく静かに眠った。
「目、冴えちまったよい。」
寝るつもりだった目は驚きで冴えてしまっていた。
「全く、ずるい女だよい。」
あと何日かで会える…そう思うだけで胸がときめくなんてな。
「サッチのこと、馬鹿にできねェよい。」
あの馬鹿なことを思うと、心も余裕ができ眠りにつけた。