【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第60章 遅れたが…
Side.Marco
島にはやはり数時間飛んだだけでついた。正面は大きな港町になっているようでまだ夜明け前なのに賑わいを見せていた。
「なんかあるのかよい?」
住民に問いかけると、今から魚の競りがあるとのことだった。こりゃ、サッチあたりが喜びそうだよい。
島の中を散策していると、大きな酒場を見つけたので酒の注文を先に済ませておく。
「あら、白ひげの隊長さんじゃない?」
「お一人なら、私たちとどう?」
「断るよい。今は困ってねェ…数日以内に俺の仲間たちがくるそれまでに何百人と女を集めといてくれないかい?」
「まぁ、お安い御用よ。」
「その前に貴方ともぜひ、お願いしたいんだけど。」
ーマルコッ!
こんな女と会った時はあいつの声が頭をよぎる。
「いらねェって言ってんだよい。」
酒場の店主に前もって金を払って、島の散策へ戻る。
島にはかなりの町があり、武器屋もあるようで安心した。見回っているとふと目に入る店。
「ブレスレット…ねい」
少し明るくなってきた空から光を浴びるとショーケースに入っているブレスレットはより一層輝きを深めた。
真ん中に光る石が入っており、その両サイドはシルバーの天使の羽、他はチェーンで出来ている。
「シンプルすぎないかねい。」
「真ん中にあるのはパパラチアサファイアと言って、サファイアの中でも希少価値の高いものなんですよ。」
「なんだ?」
いきなり隣に現れた男は、この店のオーナーだという。俺は一体何時間ここに突っ立ってたんだ。
「パパラチアサファイアの石言葉は一途な愛、運命的な恋、信頼関係というんです。お悩み出したらぜひご参考に。」
一途な愛…か。ぴったりかもしれねェない。
「買う…包んでくれよい」
「ありがとうございます。どうぞ、中へ」
カランとなる店の扉を超えて中に入ると、中にも女がいて“いらっしゃいませ”と声をかけてきた。
「こちらではよろしいですか?」
いつの間にかショーケースから出されていた先ほどのブレスレットは白い手袋のつけられた男の手の中にある。
「文字を掘ることもできますが、どうされますか?」
「そうだねい…」
悩んだ末に包んでもらい、俺は宿に戻り船に連絡をかけた。いつまで経っても出ない連絡に少し痺れを切らしかけた時“もしもし”と聞こえる声に高揚した。
「遅ェよい…」
[ごめんなさい。]