【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第59章 節分とは
「ガブッとしな。」
イゾウに言われるまま強く噛むと、やっと噛み切れた。
『モグモグモグ…ん、これ食べずらいね。ってあれ?なんでみんな見てんの?』
「うめェ!!って、なんだ?なんでそんなモノ起こしてんだ?」
エースが言った一言に反応した何人かは股間を押さえながら食堂の外へ走っていった。
『なにあれ。』
「クククク、予想通りだ。」
「お前かよい、イゾウ」
「あァ、マルコかどうだい?いいおかずになっただろ?」
『おかず??中身は魚だよ!』
そう言うと、エースもマルコも苦笑いをしていた。
『ん、おかず…モノを起こす…』
先ほどの会話から頭を捻っていると、
「アンちゃん、さっきの顔は最高だった!」
この言葉に大体を理解した私は、イゾウを睨んだ。
『わかっててやったの?』
「なんだい、知識はあったのか?」
『…そこはいいとして、悪趣味…』
「全くだよい。アンもあんな無防備な顔は外で晒すなよい」
『イゾウが悪い…』
こんな会話をしている間にエースが残りの恵方巻を食べており、残っているのは私の持っている一つだけだった。
『あー!!なんで1人で食べちゃうの!!』
「話してたからいらねェのかと!これももらうな!!」
そう言って、私が手に持っていた分を一口でパクリと食べてしまった。
『あー!!!!』
「んー、うめェ!!」
『もう許さない!!』
私はダンッと机に右足を置き、足につけていたダガーを抜いた。
「うわッ、えろ!」
『私の食べ物を奪った罪、後悔しろッ!!』
「冗談だろ!?なんでそんなことでキレてんだよ!!」
エースも下げていた短剣を抜いた。
『私のご飯ッー!!』
「ごめんって!!」
キィン、キィンと金属がぶつかり合う。食堂にいた隊員たちは周りを囲んで楽しそうに鑑賞していた。
「珍しいな、アンが能力使わないなんて…」
「船を壊さないようにしてんだよい。」
「いいのかい? このまま放っておいても。」
「言い訳あるかよい!!やめろ!この末っ子ども!!」
『ッあ、ぶない!!』
「わわわわわ、止まれねェって!!」
マルコは私とエースと剣が交わるところにわざわざ立ったが、そんな急に止まれない。ぶつかったと思った瞬間感じた暖かい炎。
「俺はこんなことで傷つかないよい」
刀は体に触れているが血は流れていない。