【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第58章 訓練始めます!
“何があった。”そう言って駆けつけてくる隊長たち…どうやら隊員はその場で待機させているようで、少人数だった。
「あれ見ろよい」
「あれってなんだよ!」
マルコの指差す先に目線を送ると、大きく目が見開いている。
「嘘だろ…あれって」
「海軍大将の青キジじゃん!!」
「元、だ。」
「今更びびることじゃねェよ」
『でも、厄介だね…あの人』
どんどん近づいてきて、もう声の届くだろうという範囲に来た時。
「久しぶり〜元気にしてた?アンちゃん」
なんで間抜けた声で言うもんだから力が抜けた。
「あ、よっこらしょ。」
『なにしに来たんですか?青キジさん』
「クザンだよ。俺ァもう海軍はやめたんだ。でもそれはこっちのセリフ…あ、もしかしてあの霧もアンちゃんの能力だった〜?」
『…質問に答えて欲しいです。』
「旅してただけだよ〜、にしてもあの戦争から数ヶ月経つけどさ〜、あんたらよく逃げれてるよね〜」
「うるせェよい!! 用がないならどっか行けよい」
「そうだ!!さりげなくアンちゃんに触ろうとすんな!!」
青キジさんは自転車を浜辺に立てかけて、普通に座り込んでしまった。
「ちょっとくらい労りなさいよ〜、疲れてるからここ来てんだし」
「ふざけんなッ!!」
「あら、アンちゃんのお兄さん、お元気?」
「てめェッ!!」
『落ち着いて…海軍を止めたと言うのはお聞きしました。私たちのこと情報として流しますか?』
エースを止めつつ、青キジさんに向かい合うと鼻で笑われた。
「随分、警戒されてんのね〜。そんなことする義理も今はないでしょうに。それに、俺は君に嫌われたくないからね。」
スッと手を引かれて手の甲にキスをされた。その冷たい唇に体が震える。
「おい!!さわんな!!」
「なにしてくれてんだよい!!」
「アンちゃん手洗っておいで!!」
「それはひどくない〜?おじさん泣いちゃうよ?」
「なに可愛く言ってんだ、気持ち悪ィ!」
『敵意はないと見てもいいんですか?青キジさん』
「だから、クザンだって…そう呼んでよ、アンちゃん」
『はぁ…何かあれば沈めます。』
「おォ、怖い〜ちょっと君と話したら行くから安心していいよ〜」
「「「安心できるか!!!」」」
『話…ですか?』
「そ、いいでしょ?元海軍同士…今は気ままにやるもん同士」