第58章 訓練始めます！

1日1日はとてつもなく早く過ぎていく。

「おい、そこ！！剣の力は常に垂直にかけろって言ってんだろ！！」
「すみません！！」

「まっすぐ狙えねェなら狙撃なんてやめちまいな」
「はい！！」

「ちげェって、こうやって持ち上げんだって！！」
「わかりません！！」

「よし、あと5往復しろ！！」
「「「はい！！！」」」

「武装色は鎧を着るイメージだって言ってんだろい！？」
「鎧なんて着たことねェ！！」
「口より感覚で覚えろい！！」

『デュース、なかなか！！あとは維持をどれだけ出来るかだね！』
「ここまで出来るとは思わなかった。」
『いいじゃん！』
「アン副隊長！俺とも手合わせお願いします！！」
「俺も！！」
「俺ともぜひ！！」
『はーい、順番で回るね。』

本当によくやってくれていると思う、各隊の毎晩の報告も上々で脱落者なく無事にやっている。

『…あ…』
「ッやぁ！！」
『ちょっと待った…』
「は、はい！！」

蜃気楼の影の中をそのまま進んでくる感覚。

『侵入者かな…』

手合わせを一度終えて、ゆっくりと蜃気楼に集中する。

『船じゃない…』
「どうしたんだよい」
『島に近づいてきてる。』
「敵か？」
『わからない…』

突如現れた侵入者は大きな影でなくむしろ小さい…。

〔女神…またあいつだ…〕
〔海をどんどん凍らせるんだ。〕
『…また？？』
「どうしたんだよい？」
『元海軍大将の青キジみたいです。』
「何！？」
「あ、できた。」
「お、その調子だぞ！エース！！」
『見てこようか？』
「いや、その必要はないみたいだよい。至急、船と各隊長へ連絡入れろい！！」
「「「はい！！！」」」

すぐ目の前の海をキコキコとなるお馴染みの自転車がこちらへ向かってくる。

『なんでここに。』
「何にもないといいんだけどよい」

スピードを緩めることなく向かってくる自転車に緊張感が高まった。



Side.Kuzan

「あらら〜？なにこれ。」

海を自由に進んでいると突如現れた霧。確かこの先には島があったような…気が済んだけどなァ。

とりあえずまっすぐ霧を抜けると島が目の前に現れた。その先に見える大きな海賊船。

「また会っちゃったわけ？俺ってついてる〜」

会いに行こう…しばらく会えてなかった愛しい子。

「他の人のものになってないでしょうね〜」