【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第56章 赤髪の縄張り
「グララララッ!!そう責めてやるな。エースは次の島での活動は禁止、船で見張り番だァ」
「そりゃねーよ!親父!!」
「ま、妥当だねい。俺が言い渡すなら3日間の飯抜きがつくよい。」
「親父の方でいい!!」
「うちの船について来れるか?」
「問題ねェよい。」
『いや、私が両方運ぶよ。そっちのが早いし。』
「そうかい?」
『万が一にも海軍のパドルシップが来たら風だけじゃ追いつかれちゃうし、早くした方がいいのはあそこで4番隊の子たちが目線で訴えてるし。』
「そ、そうみたいだな。」
4番隊の子たちは心配そうな目でこちらをちらちらと見ており、正直サッチが言うほど食糧は持たないんだろう。
『ベック…場所の補佐してもらっていい? 流石に方角は分からなくて…』
「ああ…。うちにエターナルポースがあるからそれと地図を見るか。」
『なら、そっちに向かうわ。いいわよね、親父様?』
「あァ…一大事みたいだからなァ…許可する。ベン・ベックマン…アンに何かあったらただじゃァおかねェぞ。」
「もちろんだ。お頭は近寄せないと約束しよう」
「グララララ!上等だァ!!」
「こっちは何かすることあるかよい。」
『船の帆を畳んで置いてもらうのと、後は、ロープか何かでつないで置いてくれると助かる。』
「わかったよい! 隊長たちを集めろい!!」
「「「はい!!」」」
近くにいた1番隊の子たちは船内をかけて回った。
『エース…』
「アン…こんなことになってすまねェ」
『うん、分かったから。服…乾かせる?』
“ここが濡れたの”と言うと笑顔で“おう!!”と返してくれた。そして、少し距離を詰めるとブワッと熱風が体を突き抜けて服が乾いた。
『ありがとう!』
「俺の味方はアンだけだ。」
『大袈裟な…』
相当今回のことが応えているんだろう…ギューと力いっぱいに抱きしめられた。
『勝手に食べないこと。』
「おう。」
『食べすぎないこと』
「おう。」
『お腹が減ってるなら、サッチか私に声をかけること』
「おう。」
『よし、じゃ話は終わり。私は向こうに乗るからちゃんと仕事するのよ?』
「ん。」
“エースは子供のようだ…”とこの船に乗ってから何回も思った。きっと甘える相手もできて…今までできてなかった反動なんだろうな…と勝手に解釈をした。
「行くぞ、アン」
『うん!』