【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第56章 赤髪の縄張り
「この馬鹿野郎がッ!!」
ゴンッと盛大な音を立てて、エースに入れられた拳骨は覇気付きのものでしっかりと打撃が入る。
「で、どんな感じだよい」
「持って、明日までだ」
「そんなにか?」
「あァ、ほとんどねェ。どこか近くの縄張りの島に行けそうか?」
『ここらへんはうちの島は近くにないなァ…』
「1番近いって言うと…」
「俺の縄張りの島だな!!」
そう元気に声をあげたのは、シャンクス。
「背に腹は変えられねェ…頼む」
「親父…」
「グラララ…エースにも困ったもんだァ」
「すまねェ…」
『ねェ、シャンクス…』
「ん、なんだ?」
『上陸させてほしいな?』
上目遣いでシャンクスにお願いをしに行くと、肩をガシッと掴まれた。
「だははははッ!!いいぞいいぞ!可愛いアンの頼みだ!好きに使ってくれ!幸いにもあの島は商業がかなり盛んな島なんだ!なァ、ベック!」
「船長のあんたがいいって言うんならいいんじゃないか?」
「親父!」
「あァ…やむ得ねェな。礼を言う。赤髪の小僧」
「いやいや、気にしないでくれ!」
『シャンクス…「シャンだ。」…う、シャン…そろそろ手放してほしいな?』
「馬鹿言え、せっかくアンが自分から来たんだ。勿体無いだろ?」
『でも…シャンクス…服濡れてて気持ち悪い。』
そう言って自分の服が濡れていることをやっと認識したのか、“悪い、濡らしちまったな!”なんて言って手を離してくれた。
『別に…シャツくらいはいいけど。シャンたちはこの航海に戻るんだよね?』
「そうだな…」
シャンクスはベックをチラリと見て、ベックは呆れた顔をした。
「いや、島を案内させてくれ。いい酒場があってな!そこの手羽先がまた格別でな!!」
「おいおい、じゃァうちの船とお前んとこの船が並んじまうだろ?」
「おォ、ま、もともと昨日あった時点で海軍どもに目はつけられてんだ。今更あと1日一緒にいたところで問題はないだろうよ!」
「いいのかい?ベック」
「あれでも…うちの船長だからな。俺たちは従うだけさ」
「とか言って、シャンクスはアンといたいだけだろ!!」
エースはビシッと指を指して意見してくるが、みんなの冷たい目を浴びて萎れてしまった。
「そもそもお前が食いきらなきゃ、次の島までもったんだよ!!」
「馬鹿野郎が!!」
「ほんと、すみません!!」