【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第55章 歳を重ねて…
翌朝、やはり宴は明け方まで続いてたようで、甲板は屍と化した者たちがゴロゴロと転がっていた。
『うわ、今海軍来たら…海軍余裕で捕まれるよ。こんなだらしなく寝てる赤髪の船長とか、花提灯作ってる火拳とか、なんでか縛られて寝てるサッチとか…。』
「そうだねい」
『わッ!!マルコは起きてたんだね…』
「当たり前だろい?酒は飲んでも飲まれるなってな?」
『確かに…親父様も部屋で寝てるし…意外真面目だよね。そう言えばサボは?』
「明け方に迎えがきてたよい。今はどうやって起こすかだよい」
『ジョズは?』
「部屋で寝てるよい。」
『なら能力者はエースだけだね。』
手を構えると海がグラグラと揺れ出した。
『起こすのは簡単だよ。』
「そうか…頼むよい!!」
マルコは半獣化をしてメインマストへ避難した。その瞬間に両側から海の水をかけて、甲板にいる者に目覚めの海水をかけてあげた。
「ゲホゲホッ!!」
「なんだ!?」
「敵襲か!?!」
「いつまで寝てんだよい!もう太陽はとっくにに登ってんだよい!」
「「「ま、マルコ隊長。」」」
「さっさと準備しろい!!」
「「「は、はい!!!」」」
マルコからの叱責が入ると、下の隊員たちはバタバタと走っていった。大方服を着替えるのだろう…まぁ、海水に濡れたのだから当たり前か。
「もうちっと、優しく起こしてくれよー」
「そうだぜ、アン」
『ヤソさん、ルウさん。ごめんね?数が多いから…』
「ったくびしょびしょだぜ。」
「服でも着替えるか。」
ヤソさん、ルウさんも服を着替えに自船に戻るついでに周りにいる仲間も引き連れていった。だが、海水を浴びてもまだ寝続けるものが3人…。
「こいつら…逆に尊敬するよい」
『こんなの尊敬したら、頭おかしくなるよ。』
グガ〜ッと大きなイビキをかいて、花提灯をまだ作っている。
「いや、俺は起きてる!!けど動けないんだよ!!」
「なんだ、起きてたのかよい。」
『なんでそもそも縛られてんの?』
「あー、そりゃ…お前さんの部屋に夜這いに行こうとしてからさ」
後ろからいつもは束ねている髪を崩しているイゾウが話してくれた。
「だから、冗談だって言っただろ!?」
「いや、目がマジだった。」
「ありえねェよい。」
『さいてー…もうしばらく縛っといたら?』
「そんな、アン副隊長ー、サッチ隊長がいないと!」