【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第55章 歳を重ねて…
「『ブッッ!!!ゲホゲホッ』」
「汚ねェよい」
「全くだな…」
「な、な、なんで…」
「お前らは何を驚いてるんだよい?」
「誰がいるってんだ…は?」
「よ! 邪魔してます!」
イゾウとマルコの後ろに立ち、堂々と海賊船の食堂に入ってくる青いシルクハットが特徴とも言える男。
『サボ、なんでここに』
「いやァ、誕生日ってことも思い出したからな…祝いに来た。んで、プレゼント渡して帰ろうとしてたんだけどよ。甲板にいた船員にあらよあらよと船長さんのとこに連れて行かれて…酒持ってきてたから渡して挨拶したら、宴にも出てけって言うから…んで、とりあえずアンをと思ってたら…ここまで他の奴らが連れてきてくれたってわけ。」
すごい笑顔でサラッとすごいことを話しているけど、マルコの頭は追いついているだろうか。
「はぁー仮にも革命軍を簡単にいれた奴は誰だよい。全く…」
「まァ、でも親父が許可したなら仕方ねェよな。」
イゾウとマルコもさすがに親父様の決定には逆らえないんだろう。渋々了解した感じだ。
「で、アン。誕生日おめでとう。俺と出会うために生まれてきてくれてありがとな」
『サラッと隣に座って、何を言っているのかな?サボ』
「俺は遠慮しねェって言っただろ?」
『うん、そんなこと言ってたね…でも、こんな食堂でそんな話すると…』
そう言った瞬間にサボに対して向く銃口やサーベルや剣に“まだ話の途中なんだけど”と言葉を紡いだ。
「おォ、さすが白ひげ海賊団…早すぎて見えねェわ。」
両手を上げて降参のポーズを示しているサボ。
『もういいから、下ろして…』
そういうと、向けられていた銃口もサーベルも剣も、持ち主の元は帰っていった。
「お前さんは前科があるからねェ。」
「肝に銘じときな?ここは海賊船。」
「大切に大切にしてる宝を早々持っていかせるわけないだろい?」
「僕たちの大事なお姫様に近づかないでくれる?」
殺伐と雰囲気を見せていた空気を壊したのはエースだった。
「プッ、あははははッ!!こいつらのシスコンぶり半端ないだろ!」
「確かにな。」
「気を付けろよ?俺だって双子なのに嫉妬の対象になってるんだからな?」
「そうなのか?」
2人の会話というか、エースによって食堂内にいつもの空気が戻ってきた。
『全く…私の義兄なんですけど?』
「「「すまねェ」」」