【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第55章 歳を重ねて…
「グララララッ…汚ねェ、アン、エース」
「どうだい? 俺たちの洗礼は。」
「普段から迷惑かけられてる腹いせだよ。半分」
「俺の特製クリームだぜ?」
ニヤッと笑っている隊長や親父様は本当に海賊らしい。
「『参った…』」
ベチャベチャに引っ付いているクリームを落としながら、2人で手を上げた。ドッと笑いが起きた。
「あ、そういえば…言い忘れてたねい」
「あぁ…そうだ!」
「せーの!!」
「「「生まれてきてくれてありがとう!!!」」」
こんなに嬉しいのは、エースとサボとした誕生日以来だ。
ほんの少し、ほんの少しだけ涙が出そうだった。エースの方を見ても、やっぱり少し泣きそうな笑顔になっていた。
『エース、誕生日おめでとう!生まれてきてくれて、今まで一緒にいてくれてありがとう!大好き!!』
お互いベチャベチャの体だ、抱きついても怒らないだろう。
「アンもおめでとうな!これからもよろしく頼むぜ!」
『うん!!』
そのあとはもちろん酒飲みがまた新たに始まる……なんてことはなく全員で甲板のクリーム掃除が始まった。
「めんどくさいよい」
「いや、やったのおまえらだろ!?」
『クリームって体温で溶けるんだね。垂れてきた。』
頭からかぶっているクリームはまだ数分しか経っていないのにポタポタと垂れてきていた。
「アンちゃん…それ、やばい。」
白に混じる赤…バッと顔をあげるとそこには鼻を抑えている隊員、隊長が多くいた。
『え?なんで、鼻血?』
「水着に、白のクリーム…最高ッ!」
ゾッとする気持ち悪い発言に、思わず能力を使ってしまった。ザブンと津波が甲板を襲い、クリームも鼻血も付いていたものも全てを流した。
「お前…やるとかは言えよ。力抜けるんだぞ俺たちは。」
『一気に綺麗になったからいいじゃん。』
サッチはいつの間にかボコボコになっており、本当に懲りないエロだな…と感心してしまう。
『ウォーターシャボン』
油なども全てを綺麗にするためにエースと2人シャボンの中に入る。
「うわッ、くすぐってェ!」
『我慢して…』
パチンとシャボンがはじけて消えた時にはもう、体のベタベタは一切なくなっていた。
「相変わらず便利だよな〜その能力」
『そうだね、使い方次第で無限に可能性がある。』
「グララ!!ちったァ綺麗になったじゃねぇか」