【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第54章 無防備
あれから、2日…私は新世界の海へ戻ってきておりもう目の前にモビーがいる。
ハンコックの島も魚人島からそんな離れてなかったこともあり、すぐに戻ってくることができた。が、なぜこんなに近くにモビーがいるのか…。
「何してんだよい。」
考え事をしていて上半身だけ出したままだったのがダメだったんだろうか、マントを着ていたことだろうか、エースと同じ帽子をかぶっていたことだろうか、何にせよ上空にマルコが不死鳥の姿で迎えにきた。
『いや、ちょっと考え事を…』
「? モビーでしろよい。帰るよい」
“背中に乗れ”と言われたので大人しく乗ると、すごいもふもふしてた。
『気持ちいいッ!!』
「くすぐってェよい」
海とは違う青さが広がる空。 ふとマントの下を見るがまだまだ鮮明に残るその跡。どんだけ力を込めたんだよ。
「なんか言ったかい?」
『何もない。』
とりあえず誰に聞けば貸方がわかるのか…ナースのお姉様方?いや、絶対騒ぐ。サッチやマルコは論外だし、ハルタはそういうことは分らなさそう…。
「おい、聞いてるかよい?」
『…え?なに!?』
「着いてるよい。降りろい」
『ごめん、あまりに気持ち良過ぎて…夢中になってた。』
「ッ、そうかいッ。」
マルコの顔が赤くなっていた。が、そんな事を言ってる場合じゃない。
『親父様に報告行ってくる。』
マントも脱がずにそのまま親父の部屋に一直線に向かった。
「グララララッ、やっと帰ったかァ…この放浪娘がァ」
『ただいま…今回は、情報収集もしてきたんだよ』
「そうかァ…ティーチかァ?」
『うん…前半の海にはいなかった。新世界で最近、最悪の世代の1人と軍艦を交換しようとしてたみたいだけど失敗したって…そのあとは消息不明だって言ってた。』
「言ってたァ? 誰に聞いてきたんだァ?」
『ドフラミンゴは前の島の時に、あと鷹の目のミホーク、海賊女帝のハンコックのところに。』
「そりゃァ、確かな情報だァ…グララ。」
『また、聞き回ってみるね。』
「頼む…で? アンよォ」
『ん?』
「なんでそんなもん着てやがる」
そんなもんとはきっとマントのことだろう。
『いや、ちょっと…ね。』
「グララララ…まさか、怪我したんじゃねェだろうなァ?」
『いや、それはない。』
親父様は合図を出すと、ナースたちがバタバタと入ってきてマントを脱がしてきた。