【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第53章 情報を求めて
「こういう事をしたと思われるからだよ」
そう言って、急に顔が近づいた。そして感じたのは熱。
『んッ…レィ…ん、リー』
「ん…」
キスされてるッ!!でも、サボみたいに触れるだけじゃなくてこれは…。
口の中を暴れるような舌、息をさせまいとする噛みつくようなキス。
『や…も、う…んッ』
息継ぎの仕方もわからない。息がどんどん苦しくなって、押し返すよう動作をすると唇は離れ、そのまま再び首筋へと降りてくる。
『…レィ…リー…ッさ、ん』
次の痛みは首筋ではなく鎖骨のマークに沿うように何回か。
『…やめ…ッ、』
「くく、それでは流されてしまうぞ。こんなおじさんに初めては奪われたくないだろう?」
動きを止めたレイリーからつかさず距離置いた。
『…はぁ、はぁ…何を』
「君が持つ危険について教えたんだ。その格好では本当に犯されても文句は言えないぞ?私みたいに君を陰から狙っている奴もいる。」
『…ッからかわないでください!!』
「ははははッ!! まぁ、以後気をつけ給え。ロジャーの娘とはいえ…いい女には変わりがないからな。」
後ろ手に手を振ってレイリーさんは去っていった。
海に戻り、覗くように見ると映った首や胸元にいくつもの赤いマーク。
『ま、まずい…。』
知識がないわけではないが、頭にあるものと実際するのでは全然違う。つかさず海に潜り、自分の頭でどのくらいの期間を開ければ消えるのかを必死に考えた。
Side.Rayleigh
この島にまさかくるとは思っていなかった。前にあった時よりも幾分も綺麗になっていて、垢抜けていて、そしてこの美貌。
女好きのレイさんが襲わないなんて名が廃る。
そんな事を考えていたら抱きついてくるもんだから、年甲斐もなくはしゃいでしまった。まさか、この子がそういう事をしたことがないなんて思わなかったもんだ。
ロジャー、お前さんの娘はとんでもない悪女だよ。
あどけなさを漂わせて、その美貌で男を翻弄する。しかし、男は狼だという事を教えてあげよう。
したことがないんだろう。噛みつくようなキスに息が出来なくなっていた。しかし、その姿もまた可愛い。
首に、鎖骨に、胸に、幾つもの私のものだというマーク。
「これで狂わされない男がいるなら教えてほしい。」
全く、さすがお前の娘だな!
“だろ?”という誇らし気な声が聞こえた気がした。