【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第53章 情報を求めて
ハンコックの言っていた通り、島へはあっという間だった。
「妾たちは船を近づけると怒られてしまうのでな…アンは1人で行けるか?」
『うん。ここまで送ってくれてありがとう!また遊びに行くね』
「待っておる。」
「気をつけてね。」
「男にも注意するのよ」
『…注意できるかわからないけど、気をつける!』
遊蛇に海に下ろしてもらうと、海を歩く。ハンコックは双眼鏡を使ってルフィの姿を確認して倒れていた。
『楽しみ楽しみ♪』
海王類はちょこちょこと顔を出してくるが、流行り襲う気はないようでにっこり微笑むと海に帰って行く。島に着くと、ドガァーンやらバゴォーンやら音が聞こえている。
『木も大きすぎるし、古代の島みたい。』
ゆっくり中に進んでいくと、岩場に麦わら帽子が置かれていた。
『あれ、これ…』
少しボロボロになっているその帽子は確かにルフィがかぶっているものと全く同じ。これはルフィのものだろうと確信した時、ドォンと音を立てて何か大きな物体がこちら目掛けて飛んでくる。
『え、うそ! 武装色硬化ッ!!!』
飛んできたものを思いっきり蹴り飛ばし、なんとか回避した。
『ッ危ない…なんなの?』
「…はははは…すまんすまん。また九蛇の彼女たちが入ってきたのかと思ってな。」
『ッレイリーさん!』
動物の屍を超えてレイリーさんに抱きつくと、“おっと”なんて言いながらも支えてくれる。
「綺麗になったじゃないか。アン」
『ありがとう!! でも、あんなに大きい動物は投げないで欲しかったかな?』
「なんともないようでよかった。にしても、この格好は…私を誘いにでも来たかな?」
『ち、違ッ…ん、くすぐったい』
レイリーさんは顔を首へ肩へと移動させてきた。
『ッた…ん』
チクリとした痛みに驚いた。
「おーい、レイリーいつまでも何して…ん、だ?」
「おっと…年甲斐もなくはしゃぎ過ぎた。すまないな。」
『ッい、いえ…大丈夫です///』
まだ感覚の消えない首を押さえて、修行途中のルフィを見ると、ブワッと涙腺が崩壊したように泣き出して突撃してきた。
「アンッ!!い、いぎでだんだなァ!!」
『ルフィ…』
「お、おで、じんばいじで…エーズもアンもすぐえながっだんじゃないがって…ッヒグ」
『そんなわけないでしょう?馬鹿ね』
「うわぁぁ…ッ!!」