【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第53章 情報を求めて
「すごい猿みたいな男でね! 見たことがなかったんだよ!」
「我々も対処に苦労した。」
『ふーん…』
「その男はとってもよく伸びたの巻!」
『伸びた?』
「えぇ、ビヨーンと皮膚がね。すごくびっくりしたわ!」
「男はそんな性質のあるものもいるのだな。」
男…伸びる皮膚…。もしかして…
『その男ッて「よく来たな…アン」…ハンコック』
いつの間にか城についており、この国の女帝自ら玄関でお出迎えしてくれた。
『久しぶり…ってほどでもないけど。久しぶり。』
「あの時から、まだ数ヶ月…されども心配はしておった。あのように消えては死んだかと思ったんじゃ」
『あはは…ごめんね。心配かけて』
「無論、妾は信じておったがな。中に入れ、持てなそう…。」
ハンコックに続き中に入る。
『そういえば、聞いたよ?男に襲撃されたんでしょう?』
「あァ、ルフィのことを言っておるのじゃな?」
『やっぱり…』
「マリーとソニアも待っておる。」
ハンコックの部屋に入ると、マリーやソニアが少し困り眉で出迎えてくれた。
「姉様…勝手に行かれては困るわ」
「そうよ、いきなり走って行くものだから驚いたわ」
「うむ、すまぬ…早う末妹の顔を見たくて妾、我慢できなかった。」
「「そうよね!!あるわ、そんなときあるわ!」」
『ふふ、相変わらずなんだね。マリーもソニアも』
「そうよ、いらっしゃい、アン。姉様なら話は聞いてたのよ。無事でよかったわ」
「いらっしゃい。聞いた時は血の気が引いたけれど、元気そうで何よりよ」
『ありがとう。ルフィも迷惑をかけてしまったみたいでお詫びするわ』
「あら、どうして?」
「貴方が謝る必要はないわ」
「アンは妾の愛しきルフィの義姉なのじゃ、あの処刑されそうになっておった火拳のエースともな。」
驚きを隠せないようで、口がぽかんと開いていた。
『そのお礼をしに来たの…あの時ハンコックが助けてくれなかった私も兄エースもルフィも無事ではなかったかもしれない。無茶な話にも乗ってくれて本当にありがとう。』
深く頭を下げた。力を貸してくれた3人の七武海にはとても感謝しきれない。
「顔をあげよ…前にあったであろう?妾はアンのことを本当に妹のように思っている。家族を救うのは当たり前じゃ」
優しく頭を撫でてくれるハンコックにポロポロと涙がこぼれた。