【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第53章 情報を求めて
「えぇーー、もう行っちゃうの?俺たち友達になれたと思ったのに。」
『あら、離れてても友達よ? 私の船にもいつか遊びにきてね。』
「いや、さすがに白ひげの船にはたやすく行けねぇよ。」
「キャプテンがあれだしな?」
「誰があれなんだ?」
「ギクッ!!」
シャチの後ろには眉間にシワを寄せたすごい人相の悪い男。
「キャ、キャプテン…珍しいっすねこんな時間に。」
「ずっと起きてたの?」
「あぁ…」
『じゃあ、ロー…乗せてくれてありがとう。すごくいい仲間を持っているね。またどこかで。』
「おい、待て…」
甲板から海へ戻ろうとすると、手を引かれて止められた。
『え?』
「これ…」
そこには一つのナンバーが書かれた紙。
『これ…ビブルカード?』
「ちげぇ…ただの紙だ。俺たちはまだ新世界には入ってねぇからな。入ったらビブルカードをやる。」
『うん。』
「俺はかなり腕のいい医者だ。何かあったら連絡しろ。ここで会ったのもなんかの縁だ。」
『ありがとう!』
海へ戻ると、ベポは最後まで手を振っていてくれた。手を振り返して、エースからもらった帽子を被り直す。そして、下を泳いでる海王類に声をかける。
『お願い、女ヶ島まで連れて行って!』
〔もちろん、構わないよ、女神〕
頭に乗ると、早いとも遅いとも言えないスピードで進み出した。
〔あそこは僕らの家だからね。〕
そうか、女ヶ島自体、カームベルトの真ん中にあるから海王類でも入れるんだ。
『助かるよ。』
途中、海が凍っているところや犬の船首の海軍船を見つけたが全力で逃げた。
『会うと厄介な人には会わない!』
〔どうしたの?〕
『なんでもないよ。』
やはり海を歩いて行くよりも早くて数時間後には女ヶ島が見えていた。
『ここまでで大丈夫だよ!』
〔そうかい? また一緒に旅しようね〕
『うん!』
海王類にさよならというと、私は女ヶ島まで真っ直ぐ海を歩いた。もちろん大型の海王類がいるが、私に襲い掛かることはなかった。
『よし、着いた。』
陸地に上がると、クライガナ島とは違い明るく少し乾燥している空気に懐かしさを覚えた。
『えっと…どっちだったかな〜』
前は出る時しか門を使ってないからどちら側から入るのかわからない。
『登るか。』
目の前に大きくそびえ立つ岩の壁。これはアマゾンリリーを囲むものであるので、登れば着く!