【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第53章 情報を求めて
早々に立ち去ることができてラッキー。
『湿度が高いから私好みではあるけど…あぁ、暗いとちょっとねぇ…』
次に目指すのは女ヶ島。妹として助けてくれたハンコックにせめてお礼でも…と思って目指す。が、ちょっと遠い。
クライガナ島は常に暗かったので気がつかなかったが、空は暗くいつの間にか夜になっていた。
『近くに島はないし…どうしたものかな〜』
海を回してみると、ポツンと浮かぶ黄色い船。
『船…というかなにあれ。』
今までには見たことがなく、でも海の真ん中に浮いているのだからきっと船なんだろうけど…。
『ちょっと休ませてくれたりしないかな〜』
そう少しな期待を持って、船らしきものに近づくと側面には大きなジョリーロジャー。
『海賊船…か。誰だったかな〜』
「キャプテン!海の上に女の子がッ!!」
「あ?なに寝ぼけたこと言ってやがる。疲れてるなら寝ろ、ベポ」
「いや、本当だって!!ほら!!」
何やら船の方が騒がしい…見張りにでも見つかったのかな?
じーっと観察していると、甲板に白熊…。
『つなぎ着てる…。あ、思い出した!!』
最悪の世代、死の外科医 トラファルガー ・ロー
そういえば、戦争の時もルフィとジンベイを連れて逃げてくれた。
お礼を言おうと船に近づくと、一瞬にして景色が変わった。
『きゃっ…ってあれ…甲板?』
「あいあい! キャプテンの能力さ!」
「お前、大海の天使だな?」
質問を問いかけてきたのは、目の下に隈があり、長い刀を手に持つ刺青の男。
『トラファルガー ・ロー…』
「はッ…知っててもらえるなんて光栄だ。」
『もちろん…ルフィのお友達でしょ?』
「は?」
『だって、あの戦争の時、ルフィを助けてくれたでしょう?どうでもいい他人…ましてや、敵の船長を助けるなんて普通はあり得ないでしょう?』
「友達じゃねぇ…ありゃ親切ってやつだ。」
『そう…でも、助けてくれたことに変わりはないわ。ありがとう』
トラファルガーはかぶっていた帽子を下げて、顔を隠した。
「おい、キャプテン…照れてんぞ」
「シャチ、あんまり言うなって。」
『あ、挨拶ついでに朝まで甲板でいいから休憩させてくれない?』
「あ?」
『女ヶ島まで行かないとダメなんだけど、夜だから海王類達も寝ちゃってて…。』
「「「は?」」」
「海王類が寝てるからいいんだろ?」
『あ、そうか!』