【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第53章 情報を求めて
『ッな…!!』
「交渉に向かったのは海軍元帥の赤犬。島についた頃には捕まった娘とその一味以外は誰もいなかったようだ。」
『そのあとは!?』
「今のところはなにも聞いていない。」
『…そう。』
これは有益な情報だ。あいつは新世界に入り、うろうろしている。新しい仲間もいるから船が必要なんだろう。
「…そんな目もするのだな…」
『え?』
「人を憎み恨み、殺そうとしている目だ。」
ミホークは紅茶を味わうようにゆっくりと飲んでいた。
『…私も人間よ』
「そうだな…旅の途中であった時とはまた違った顔だ。それも面白い」
ほんとこの人は分からないなぁ…。
ガタンと大きな音を立てて、扉が開くとそこにはゾリくんに包帯を巻こうとしている小娘と、巻かれるのが嫌で逃げているゾリくん。
「やめろ!離せッ!!」
「動くんじゃねェよ!包帯が巻かないだろうが!」
「いいんだよ!寝たら治る!!」
「んなわけねェだろ! 馬鹿かお前!!」
『ほォ…あの2人が、恋人同士と言う奴ですかな?』
「知らぬ。」
「おい、お前!!ルフィは無事なのか!!」
『ルフィ…あァ…生きてるよ。多分』
「多分!?」
『だって私戦争の後、ルフィと連絡とってないし。』
「ッ使えねェ!!」
『は?』
「おい落ち着け…」
『自分で確認しろッ! 水球』
少し大きめの水の玉を思いっきり投げといた。ゾリくんは後ろに弾かれて、扉に激突していた。
「おい!! 怪我を増やすんじゃねェ!!」
『ふん!』
「…ここには何日滞在する予定だ。」
『明日には違うところに出たい、あ。これ…』
「なんだ。」
『うまい酒…言ってたでしょう?』
カバンの中から酒瓶を出すと、ミホークは受け取って酒をじっと見ていた。
「フッ…あとは暇つぶしだが…俺は今あいつを相手している。暇などではない。だから、今回の茶で約束を果たしたことにしてやる。」
ポカンとしてしまった。
『いいの?!』
「あぁ…暇じゃない時に来られると邪魔にしかならんからな。」
『…ありがとう!!』
ギューっとミホークに抱きつくと、さすが大剣豪…言わずともしっかり受け止めてくれる。
「またこい…アン。次は剣術でも相手してやる」
『うん!』
「ッてて…水の能力者だったな…」
『ゾリくんもまたね!!』
「ゾロだってんだろ!!」
『幽霊小娘もね!』
「ペローナだよ!!」