【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第53章 情報を求めて
『治してくれたの?』
「おう! 部屋に大事に置いといてくれてありがとな。」
『テンガロンハット…エースのじゃないの?』
「おんなじ奴、ドレスローザで作ったんだ。お前と一緒に被ろうと思って!」
にししと少し照れながら笑う兄を私は可愛いと思ってしまった。
『ありがとう、大事にするね!』
「最後の挨拶みたいに言ってんじゃないよい。」
「ちゃんと帰って来いよ!」
「僕待ってるからね!」
「留守は任せろ!」
ドレスローザを出航する船と私は反対の道へ進んだ。進むべきはクライガナ島、鷹の目 ジュラキュール・ミホークの元へ!
海に潜ると、場所は分からなくてもちゃんと連れて行ってくれる。
どこかの話で島から島へ移動できる能力があると聞いた。だが、その人たちは3日3晩旅をしたとも言っていたって言ってたなぁ。
3日3晩とはまだは行かないが、船を出てから数日。魚人島そばを抜け、再び前半の海に戻ってきた。
〔女神…気を付けて。〕
『うん、ありがとう!』
潜ってばかりいると場所が分からなくなるので、一度海の上に立つ。
『お、アレかなー?』
海王類が連れてきてくれたのはとても暗くジメジメとした雰囲気を出す島。
『名前の通りクライガナ…なんてね…』
ゆっくりと島へ近づくとやはりジメジメとしていてあんまり好きじゃない。でも、こういう湿気が多いところでは確かに動きやすい。
島に着陸すると、目の前には猿、サル、さる。こちらをじっと見て今にも襲いかかってきそうだ。
『この島特有の猿なのかな?』
顔がとてつもなく怖い、その上、武器を持っている。
『ここに人は住んでる?』
話しかけてはみるが、とても威嚇の声しか聞こえない。
『…じゃあ、入るね。』
そう言い一歩を踏み出した瞬間、すべての猿が一斉に飛びかかってきた。覇王色の覇気を使った。猿たちは概ね気絶し、残っている猿も強者が誰なのかわかったようだ。
『それでいいのよ。』
「お、お前は誰なんだ!?」
どこからか甲高い声が響いた。が辺りを見回してみてもそこには誰もいない。聞き間違いかと思いまた一歩と足を出すと。
「おい、無視するんじゃねぇよ!!このやろうが!」
そう言って目の前に現れた女の子はフリフリの服を着て、フワフワと身体を宙に浮かせている。
『あ、人間??』
「そうだよ!てめぇ、なめてんのか!?」