【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第52章 愛と情熱とオモチャの国
暖かい日差しが窓から差し込み、目をうっすら開けると空は明るくなっていた。
『ん…朝か。』
時間を確認してみると、8時を回ってたところだった。今日はゆっくり眠れた。と思い、シャワーへ向かう。
『〜♪〜♪〜』
気持ちよくシャワーを浴びているとドンドンととびらを叩く音が響いた。シャワーを止めて体を拭きながら出ると誰がきたのかすぐわかった。
「おーい、アンッ!起きてるかー!!」
楽しみすぎて眠れなかったのか、早く起きすぎたのかなんにせよ迷惑な兄だ。マルコやサッチが起こしてしまっては悪いと思い、体にとりあえずタオルを巻き付け、水の滴る髪は後回しにしてとびらを開けた。
『ちょっと…マルコやサッチに迷惑でしょ?静かにして!』
「お、おまッ!!」
『え、ちょっ!!』
グイッとエースが中に入り、部屋の扉を閉められる。
「お前なッ!! そんな格好で出てくんじゃねぇよ!!俺じゃなかったらどうするつもりだよ!!襲ってくださいって言ってるようなもんだろ!!」
『あんただからこの格好なのよ!それに、隣にはサッチとかマルコとかが寝てるんだから静かにしてよ!』
とりあえず服を着るか…と水着を着用していく。そして、いつものようにショーパンを履いて…。
「おい、頭…ちゃんと拭けよ」
『拭いて…』
「ったくよぉ。」
なんだかんだと文句を言うがやはりお兄ちゃんなのだ。少し乱暴だがしっかりと水気を取るように拭いてくれる。
「そういえばさ…手配書の写真の髪は長かったのに今はなんでこの長さ?」
『わ、すごい今更だね。』
「まぁ…ちょっと気になったからな。」
『んー…なんか変装のつもりで切ったの自分で』
「変装って…馬鹿なのか?」
『いや、エースには言われたくないし。手配書出た時、やりたいことがあったの。そのために邪魔だったのよ』
「ふーん…じゃ、もう切る必要ねぇよな?伸ばせよ。その髪」
『え?』
「俺は長い方が好きだ。サボもルフィも言ってたんだぜ?髪が長い方が女らしいって!」
鏡越しに見るエースはニカッと笑い、その笑顔はあの2人とも重なった。
『そうだね〜、邪魔にならない限りは伸ばそうかな〜』
「おう、そうしろ!」
準備ができたことを確認して、2人で部屋を出ると何故かマルコとサッチが不機嫌そうに立っていた。
『あはは』
「「てめぇら、喧嘩するときは静かにしろ/い!」」