【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第51章 初恋
時は少し遡る。エースに誘われ、マルコの話題から逃げるために来た甲板にはすでにギャラリーが集まっており、酒やらつまみやらを準備して待機していた。
『なんでこんなに…』
「俺たちが広めたんです!!」
「だって勇姿が見れるんですよー!」
「さっ!始めようぜ!!」
エースは準備運動をして、テンガロンハットを仲間に預けていた。
『本気でするの?』
「当たり前だろ?」
『えぇ…ま、参加できなかったからいっか』
着ていたシャツを一枚脱いだ。下には青と白のクロスタイプのビキニ、下はショーパンをしっかり履いている。
「「「「よっしゃぁぁぁ!!!」」」」
「おまえ…そんな格好すんなよな」
『エースだって変わんないよ。』
右腹部に書かれている親父様のマークと左鎖骨下にあるASLのマークもしっかりと見えている。
『デュースこれ、持っててー!』
着ていたシャツを有無言わさずデュースへ投げた。
「はいはい…」
「じゃ、俺のもよろしくー!!」
「はぁ…」
『さ、始めよっか。』
「おう!」
「構え…始めッ!!!」
その掛け声を合図に、エースと私はぶつかった。
『ッ本気でするからッ!!』
「当たり前だッ!!」
右蹴りを入れると防がれて、左パンチが入る。
『武装色硬化!!』
「きったねぇ!!」
『覇気くらい纏えるようになれッ!!』
「グハッ!!」
エースの腹部に思いっきり蹴りを入れた。ゴロゴロと転がり塀のところで止まる。
「さすが元中将…」
『褒めてくれてありがとう…ッやぁ!!』
「効くか…よッ!!」
『ッた!!』
お互いが攻撃にキレを持たせていく。見聞色は使えるようになっているようで攻撃は避けられる。だが、それはこちらも同じ。
キリがない時思った時に2人してとった行動は…能力の使用。
『ッハァハァ…水球!!』
「炎戒!!」
ドォンと火と水が大きくぶつかる。
「やめてくれ!能力は禁止だろ!」
「やめろよ!」
『水柱ッ!!』
「火柱ッ!!」
同じ技を同じタイミングで出すため、水は蒸発し、火は消される。
「蹴りがつかねぇッ!!」
『本当に…ハァ、』
「おまえらはなにやってんだよいッ!!!」
2人が止まった一瞬にガンと頭に入るかかと落とし。
「『いったァ!!』」
「試合に能力使ってんじゃねぇよいッ!モビーを壊す気か!!」
割って入ったのはマルコだった。