【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第51章 初恋
部屋も無事に元にとはいかないが、なんとか戻りベッドに寝転ぶとマルコに言われていたことを思い出した。夜に連絡を取るのはどうかと思ったが…きっと起きているであろうとコールを鳴らした。
『もしもし?』
[フフフフ…なんだァ、こんな夜中に?アン…若様ァ…]
『お忙しいようならかけ直しますが…』
後ろから聞こえる女の声に嫌悪感が増してくる。
[そう妬くんじゃねェ…フフフ…男は色々あんだ。]
『用件は2つ…1つ目は後数日でモビーがドレスローザに到着するわ。正面に止めていいの?』
[あァ…正面はやめとけ、海軍がいる可能性がある…ン…アン]
『ちょっと…その女の人どうにかできないの?うるさいだけど。』
[安心しろ、お前が俺の手に落ちた時はおんなじ目に合う。]
『いや、なにも安心できないだけど…』
[島の裏手にも港があるそっちから入れ…]
『了解…あと、2つ目なんだけど。あの約束はまた別の時にしてもらっていい?』
[あァ、かまわねェ…俺ァお前に甘いからなァ…いつでもかまわねェよ]
『そう?ありがとう…』
電話が少しシンとした時…ザシュッと何かの切れる音が聞こえた。
『いま…なんか変な音したけど。』
[あァ…女の首を跳ねた…俺の女を嫉妬させるのはいいが…俺に粗相をしやがったからなァ…フッフッフッ!!待ってるぜ]
『えぇ…』
ガチャンと電伝虫を切るとふぅとため息が出る。全く…男というのはどうしてこう欲に忠実なのか。
『反吐が出る…』
気持ち悪い思いをしたが、色々疲れていたこともありすぐに眠りについた。
「おはよい…」
『おはよい』
「真似すんない。」
コーヒーを飲んでいたマルコに挨拶を返すとコツンと裏手で叩かれた。
「そう言えばねい、こないだからナースたちに生温い目線を送られるんだが…なんでか知らないかい?」
『い、いや…知らない。』
「ん?アンちゃん?」
「おーい!アンッ!!ちょっと手合わせしようぜー!!」
『いや、私朝ごはんまだだし…』
「じゃあ、早く食えよ!!待ってるからさ!」
「アン…さっきの話…『サッチご飯ー。』…よい」
「はいよー」
「アン、話を「早く食えよ!!」…ハァ…」
「お疲れさん」
あとでナースたちに文句を言いに行こう。マルコの言葉をスルーして“急げ”というエースに急かされながらご飯を早々と食べた。