【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第5章 巨大な白鯨
「アン少将! あと数時間でマオラ島に到着します!」
そう言って敬礼をしたのは、新兵だった。とても緊張しているようで、少し心配になる顔をしていた。
『初めて、外に出るんですか?』
「はい、今期配属されたばかりで!」
『そうですか…無理しないでくださいね。私は逃げるのも正義だと思いますので。』
「は、はいッ!!!」
新兵は大きな返事をして持ち場に戻っていった。そのすぐあとだった…“白い鯨が見える”と船内に放送が響いたのだった。
「白い鯨?」「なんだそれ…」「おい、あれじゃないか」
騒がしい甲板…集まる人だかり…その先に見える白い鯨。
「いや、あれは…『白ひげ海賊団だね』出てこられてたんですね」
『まぁ、一応?敵船だったら困りますので…でもまさか、こんなところで会うとは思わなかったです。』
「アン少将!!なにやら、青いものがこちらに向かって飛んできます!!」
白ひげの船の方を見ると確かに何かがこちらに向かってきている。それはみるみる影が大きくなり…青い鳥だということがわかった。
「お前ら、海軍か…なんの用だよい?」
『へッ…鳥が喋った??』
「ん、ガキ…??海軍だよな、ここ。ここは、白ひげの縄張りって知ってるだろい?何しに来たんだよい…最高責任者は誰だよい?」
青い鳥からみるみると人間が姿を現した。
「こいつ、不死鳥のマルコだッ!!!」
「敵襲ーーーッ!!!」
敵だと判断した新兵たちは勝手に銃や剣を構えた。
「おいおい、俺とやろうってのかい?」
腕から青色に火が漏れ始めた。
『落ち着いてください…まず武器はしまってください。戦いは望みません…』
「は?ガキ…まさかお前が最高責任者だってのかよい?」
『えぇ』
「海軍もふざけてんのかい。」
『いいえ、不死鳥さん。私はこれでも将校なの。で、なぜこちらにきたのか教えていただけます?』
「おいおい、俺の質問に答えてねェだろい?」
『なんでしたっけ?何しにきたでしたか?そんなの決まってるじゃないですか…海賊の討伐です。』
「…それは俺らの島を荒らしてる奴ら…ってことでいいんだよな?」
『話が早くて助かります。そうです。島民の方から要請があったんです。なので私が軍を率いてきました。何か問題ありますか?』
笑顔で返すと不死鳥さんは困り顔をした。