【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第3章 2年を経て...
丘の上…海がよく見えるこの場所はみんなでよくいろんなことを語り合い、傷を癒やし合って、夢を語り合った。
ー広い世界を見て、俺はそれを伝える本を書きたい!!
ー俺は海賊になって勝って勝って勝ちまくって最高の名声を手に入れる!!
ー私はとりあえずみんなが笑顔でいれることかな。
ー俺はなぁ!!!!
そう夢をみんなが思い思いに描いていた。あのときは4人いて…楽しかった…。
「誰だッ!!」
泣き声が聞こえる。ルフィが泣いているんだろう…
『エース…ルフィ…』
「誰だッ…海軍に知り合いなんて…お前…アンか」
「うえぇぇぇぇん…ッへぇ…」
『うん、ただいま。まァすぐ帰らないとなんだけど。』
「何しに来たんだッ!!!!」
『ッ…エースッ!』
「来んなッ!!お前なんて知らねェッ!!帰れッ!!!」
『どうして…なんでッ…!』
「エー…ッスなんで…ッ…うわぁぁぁぁあ」
いつも一緒にいた。急に離れた私は…もう……初めての拒絶…今まで一緒にいたのに…!
『ごめんね…何も言わないで行っちゃって…サボのこと聞いたよ。何もできなくてごめんね…どうか元気で…』
背中を向けた…仕事に戻らないといけない。はじめて拒絶された…私の心は思っているより傷ついているようだ。
Side.Ace
「なんであんなこと言ったんだよッ!!!?」
ひとしきり泣いたルフィは目が赤く腫れている。やっと頭が回るようになったのか、俺のさっきの言葉に対して反抗してくる。
「うるせェ、あいつは…もう海軍だ。」
「そんな理由でッ!!エースッ」
ガンッとルフィの頭を殴って続きの言葉は聞かなかった。
正直、いろんなことがあって八つ当たりをしたと思っている。あんなに泣きそうで悲しい顔を見たのは久しぶりだった。いや…あんな傷ついた顔は…初めてだったかもしれない。
「なんで…何も言い返さなかったんだ…」
お前は何も間違ってなかったのに…!
「言い返せよ…馬鹿野郎が…!!」
小さい頃からずっと海軍になると言っていた。なんでおめでとうって言ってやらなかったんだ。
このときのことを俺は何年も悩み続けることになる。