第17章 桐皇学園高校戦:第3クォーター
【青峰の抱き枕】・・・豪華なお弁当と梓弓の作戦
青峰は久しぶりに朝練をさぼっていた
梓弓は今日、弓道の全国大会の決勝戦で学校に来ないからだった
梓弓が学校に来ないならば、朝梓弓を自宅まで迎えに行くことも夜送っていくこともなく、当然梓弓の手作り弁当もなかった
梓弓は約束通り毎日青峰のお弁当を作ってくれるが、青峰の嫌いなものを毎日容赦なく入れてくる
青峰は文句を言いながらも梓弓のお弁当を残したことは一度もなく、毎日2人は教室で仲良くお弁当を食べていた
クラスのみんなはそのささやかな2人の発展に感動し、からかうことを日々我慢しながら2人の行動をわくわくしながらこっそり眺めていたのだった
知らないのは当の本人たちだけだ・・・
部屋でウトウトしていると、突然目の前に柔らかそうなものが現れた
青峰はそれを掴むと布団の中に入れ、両腕で抱え込んだ
ふわふわで気持ちいいものは両腕から逃げるように暴れるので、青峰は両足も使ってそれを抱え込み《暴れるなよ》とささやいた
途端におとなしくなったので青峰は安心すると、それに顔をうずめその感触を手と顔で確かめ再び眠りに落ちていった