第15章 桐皇学園高校戦:第2クォーター
先輩「そこで一晩反省して頂戴。私の青峰君に手を出した罰よ。声を上げても無駄よ、扉が閉まれば中の声なんて全く聞こえなくなるんだから」
先輩はそう言うと倉庫の電気を消し、高笑いと共に去っていった
梓弓『先輩!!助けて!!誰か!!』
梓弓は扉を叩きながら大きな声を出したが先輩のいうように誰も助けには来てはくれなかった
しばらく助けを求めていたが、梓弓はあきらめてマットの上に座った
梓弓『青峰くん、急にいなくなって心配してるかな?先輩《私の》って言ってたってことは、青峰くんのことが好きなのかな?』
梓弓はできるだけ暗闇のことを考えないように他のことを考えていた
ウトウトとし始めたころ、倉庫の扉が開いた
青峰「梓弓?いるか?」
梓弓『ここに、いる・・・』
体育館の横にいない梓弓を探していた青峰の声だった
青峰の声を聞いたとたんずっと我慢していた涙が溢れ、溢れ落ちてしまった
青峰は急いで梓弓に近づいて顔を見てホッとすると、髪を優しく撫でながら、出来るだけゆっくりと話しかけた
青峰「大丈夫か?体育館にいないから随分さがしたんだぞ?そしたら先輩が倉庫に少しの間だけ明かりが点いてたっていうから、もしかしてと思って。もう大丈夫だからな」
息を切らした青峰に、一生懸命に探してくれたのだとわかり、梓弓は嬉しくて青峰に抱きついた
青峰は梓弓を抱き締めて優しく頭をなでると、軽々と梓弓を抱き上げた