第14章 桐皇学園高校戦:第1クォーター
梓弓『それはそうだけど・・・(この特技が、もっと早くわかっていれば・・・)』
決定とばかりに力強く頷かれたが、梓弓はある出来事を思い出して落ち込んでいた
そんな様子に気がつかないさつきは、いいことを思いついて今吉に耳打ちしていた
今吉「試合に出てた選手の中でそのメロディー?ちゅうもんが狂ってるやつ他にいいへんかったか?」
今吉の真剣な問いかけに梓弓は少し考え込むと口を開いた
梓弓『えっと、6番の人はシュートを打つ時左肘のメロディーがおかしいです。あと、11番の人はターンする時の右足のメロディーが狂ってます。今日、気になったのはそれ位です。あと、ベンチに座ってるそこの先輩、首から雑音がします』
今吉「どや?各自自覚はあるんか?」
梓弓が気になった所を言うと今吉は指摘を受けた選手に確認した
「僕、今日左肘を机にぶつけました。シュートの時少し違和感があるような」
「俺は1週間前に右足捻挫して、今日久々に練習に参加した所です」
「俺は、昨日寝違えた・・・」
3人の返答にみんな唖然として梓弓を見ていた
今吉「このお嬢さんはかなり特殊な特技があるようやな」
今吉は少し考えると、明日も青峰と一緒に練習に参加してくれるよう梓弓に頼んでいた
よく判らなくてさつきを見ると無言で両手を合わせ、《頼む》とお願いされてしまった
梓弓『わかりました』
今吉とさつきが何を考えているのかわからなかったが、とにかく明日になればわかると判断し、梓弓は今吉の頼みを了承していた