第14章 桐皇学園高校戦:第1クォーター
教室に帰ってきた梓弓は放心状態で椅子に座っていた
桃井「・・・梓弓・・・梓弓ってば」
ハッとすると、男子バスケ部マネージャーの桃井さつきが心配そうに顔を覗き込んでいた
梓弓『さつき、ちゃん・・・』
梓弓はボンヤリしたままさつきの顔を見つめていた
桃井「どうしたの?ぼーとして」
梓弓『ううん、なんでもない。それよりどうしたの?もうクラブの時間じゃないの?』
梓弓が適当に誤魔化したずねると、さつきは途端に困った顔をした
桃井「うん・・・大ちゃん知らない?」
さつきは教室を見渡しながら青峰を探していた
梓弓『(ドキッ・・・)あ、青峰くん?』
梓弓は先ほどの件を思い出し顔が赤くなるのを自覚しながら素知らぬ振りで聞き返した
桃井「うん。練習に来ないから探してるんだけど・・・どうしたの?梓弓。顔が真っ赤よ。熱でもあるんじゃない?」
青峰と全く同じことを言うさつきに笑いそうだった
梓弓『な、なんでもない。それより、青峰くんだよね?昼休みに屋上にいたけど、まだいるんじゃない?』
梓弓は顔が赤くなっている理由を誤魔化すと、最後に会った青峰の事を思い浮かべた