第2章 海常高校戦 : 第1クォーター
黄瀬「もうしないっす」
明らかに面白いもの見たさの真弓子に、黄瀬は口を尖らせて拗ねたふりをする
真弓子『な~んだ、つまんないの。《失敗は成功のもと》なのにね』
黄瀬の言葉を繰り返し、真弓子はからかうように笑っていた
黄瀬「真弓子ちゃん!!」
クスクスと笑いながら黄瀬たちをからかう真弓子に黄瀬は困った顔をした
真弓子『うそよ。けど先輩たちも彼女欲しいんですね。バスケにしか興味がないんだと思ってました。・・・安心した・・・』
最後の一言は小さ過ぎて、黄瀬たちの耳には届かなかった
黄瀬「ん?何って?」
黄瀬が聞き返したが、真弓子はただ笑うだけで何も答えない
真弓子『なんでもない。じゃあ、私帰ります。笠松先輩、本当にすみませんでした』
真弓子は笠松の顔を真っ直ぐ見ると、もう一度謝って頭を下げた
笠松「あぁ、もういい。早く忘れろ、気にしてないから。こいつらの口車に乗った俺がバカだっただけだから」
笠松は真弓子に優しい言葉をかけると、滅多に見せない笑顔を真弓子に向けていた
真弓子『はい。あっ、私笠松先輩とならデートしてもいいですよ?じゃあ、さようなら』
真弓子は巨大な爆弾を1つ落とすと、ファミレスから足早にかけていってしまった