第11章 海常高校戦:番外編
真弓子と付き合うようになってから、笠松はかなりの女の子に言い寄られていたが、当然誰の誘いにも答えてはいなかった
けれども、今日の相手は少し違っていた
相手は男子に大人気の真美先輩だった
真美先輩に言い寄られて《断る男子はいない》と誰もが言うほど、容姿端麗、頭脳明晰、優しくプロポーションも最高によかった
笠松の部屋に入った時、机の上に真美先輩から貰ったチョコレートがあるのを見た真弓子はずっと不安だったのだ
いつ、別れを切り出されるかと思って・・・
真弓子は唇を噛んで涙を我慢すると顔をあげた
真弓子『先輩、もてるんですね。私嬉しいです、彼氏がもてて。あれ、真美先輩に貰ったんですよね?真美先輩凄く綺麗なのに先輩のこと好きだったなんてびっくりです。あっ、私なんか飲み物取ってきますね』
真弓子は一気に喋ると笠松の膝から下りようとしたが、笠松はそれを許さなかった
笠松「真弓・・・」
笠松は優しく真弓子の名前を呼んだ
真弓子『やだ・・・離してください、先輩。いくら2人っきりでも、エッチなことしちゃだめですよ?』
真弓子はふざけて笑うが、瞳はもう涙がこぼれ落ちそうだった
笠松「真弓、ちゃんと俺の顔をみろ。俺がもてて嬉しいなら、なんでそんなに悲しそうな顔するんだ?」
笠松は真弓子の顔を覗き込んだ
笠松の顔を見たとたん、我慢していた涙が真弓子の瞳からこぼれ落ちてしまった