第28章 洛山高校戦:ハーフタイム
【人ごみの中で】・・・彼女しか見えなくて
赤司は壁にもたれ掛かって夢芽を抱き締めていた
夢芽『///あ、あの・・・征くん、放して・・・』
先ほどから何度もお願いするが、赤司は夢芽を放そうとはしなかった
それどころか更に腕に力を込めて抱き締めてくる
夢芽『///みんなが見てる・・・恥ずかしいよ』
夢芽は必死で頼むが一向に放す気配はない
新幹線の改札口、大勢の人でごった返している片隅で、もう10分以上も赤司は夢芽を抱き締めたままだった
大勢の人が仲のいい高校生を温かい目で見ながら通り過ぎて行っていたが、突然こんな所で抱き締められた夢芽は真っ赤になって赤司の腕から逃れようと奮闘していた
当然華奢な夢芽が、バスケ選手にしては小柄とはいえ170cm以上もある赤司から逃げられるはずもない
赤司「黙って抱き締めさせろ。またしばらく会えないんだ・・・」
赤司の一言に夢芽は暴れるのを止めた
夢め(そうか・・・次はWCまで会えない、んだ・・・)
そう思った途端瞳に涙が溢れてしまい、赤司の胸に顔を埋めぎゅっと服を握り締めた