第26章 洛山高校戦:第1クォーター
中学時代、冷めた赤司にみんながあまり近づいてこない中、夢芽だけはいつの間にか赤司のそばで本を読んでいたり、赤司が将棋をするのを眺めていたのだった
自分からはほとんど話しかけてはこないが、赤司が話しかけると嬉しそうにおしゃべりを始める
特に無口で大人しいというわけでもなさそうだった
現に注意して観察すると、夢芽は他の女子といるときは自分から進んで話をしているのだ
卒業式の日、メール交換を頼まれ快くメールを渡したときの夢芽の顔は今でも思い出せるほどとても嬉しそうに、今まで見た中で一番の笑顔を浮かべていた
瞳が涙で潤んでいたがそれさえ印象的だった
メールを交換した後は、日に1回は赤司の携帯にメールの着信音がなった
《黒子くんと同じクラスになったの》
《今日、学校に黄瀬くんが来たよ》
《バスケ部のマネージャーになったの》
その内容は他愛もない出来事ばかりだった
つい、1週間前までは・・・