第22章 桐皇学園高校戦:延長戦④
青峰(お疲れさま・・・負けちゃったけど、今日の大輝すごく格好よかったよ)
梓弓は青峰が寒くないよう上着を脱いで掛け、頭が落ちないよう手を添えてそっと支え、青峰の寝顔を見つめていた
???「あの・・・」
遠慮がちな声に顔をあげると、そこにチームメイトの桜井が青峰の荷物を持って立っていた
桜井「今吉キャプテンから伝言です《今日は練習はないから、ここで解散する》とのことです。青峰さんの荷物持ってきました。それとこれ・・・風邪をひくと青峰さんが心配するので、使ってください。それじゃ」
桜井は自分の上着を差し出し強引に渡すとその場を離れた
梓弓が上着を返そうと呼び止めるが、桜井は足早に行ってしまった
梓弓は上着をもったまま悩んだが、せっかくなので桜井の上着を羽織ることにした
暫くして青峰が起きると、梓弓は桜井に上着を借りたことを後悔した
眼の醒めた青峰は梓弓の着ていた桜井の上着を脱がすと、丸めて自分の鞄に詰め込んだのだ
梓弓『駄目よ大輝、ちゃんと洗って返すから返して』
青峰「あいつの上着着てただけでもむかつくのに、なんでお前があいつの上着を洗うんだ。自分で洗わせればいいんだよ」
梓弓がいくらお願いしても青峰は上着を渡さず、当然とばかりにそのまま桜井に直接上着を返す気満々だった