第20章 今、出来ること
『くそっ!テメェら!命拾いしたな!』
憲兵にそう吐き捨てすると、タンッ!とリヴァイも窓から飛び降りた。
落ちていくリサを見つけると下降速度を上げる。
リヴァイを信じているリサは笑顔で手を伸ばした。
2人の手が繋がるとリヴァイはリサを抱き寄せ、またリサもリヴァイを抱きしめ返した。
『ったく…無茶しやがって…』
『ふふっ、リヴァイさんなら一緒に来てくれるって信じてましたよ。…でも、ちょっと怖かったです』
『…当たり前だ。お前がいるなら何処へでも行く』
近くの建物に1本だけアンカーを飛ばし、少ないガスの噴射力を利用してぶら下がりながら器用に路地裏へと入って着地する。
『暫く立体機動装置の訓練見てない間に更に扱いが上手くなったじゃねぇか。アンカー1本にも関わらず安定していたぞ』
『…まだまだですよ。リヴァイさんまた練習に付き合ってくださいね』
リサはそっとリヴァイの背中に手を回す。
温かいリヴァイの身体がずっと強ばっていたリサの緊張を解す。
『あぁ…。いくらでも付き合ってやるよ』
優しくリサの前髪を撫でるとコツンと額をくっ付けた。
『色っぽい顔してるぞ…薬のせいか?』
『…そうかもしれません』
『そうか…』
切れ長の目が目の前にあり、見つめられるだけで心を射抜かれる。薬のせいなのかどうか分からないけど、心臓は早くなる。
顔は無表情かもしれないけど、眼差しはとても優しい。
リサがそっと瞼を閉じるとリヴァイは強く抱きしめて口付けた。
『ん……ふっ…』
角度を変えながらお互いの唇を味わう。リヴァイの舌がリサの口内に入りたそうに入口を舐める。
気恥しそうに口を開くとリヴァイの舌がリサの口内を攻める。
――――このまま……
口付けたままリサはリヴァイの背中を摩る。
服の上からは分からない筋肉質の背中がとても逞しい。
『…そんな手つきで背中を撫でるな…抑えられなくなる…』
リヴァイも同じようにリサの背中を撫でる。滑らかな曲線に柔らかな質感にリヴァイも高揚する。
『こんなことしてたら憲兵に見つかるな』
リサはそうですねと笑った。